アプリ開発を検討する中で、このような疑問をお持ちではありませんか?
「そもそも、アプリにはどのような開発方法があるのだろう?」
「アプリプラットフォームというサービスを聞いたことがあるが、他の開発方法と何が違うの?」
今回はこのような方のために、アプリプラットフォーム事業者である弊社メグリが、アプリプラットフォームの概要と特徴を解説していきます。
アプリプラットフォームについて網羅的に知りたい方は、ぜひ読み進めてみてください。
<こんな方におすすめ>
- アプリプラットフォームについて、ざっくり知りたい
- アプリ導入を検討中・またはアプリを運営している
- 他の開発方法と比べたメリットは何か気になる
アプリプラットフォームとは
アプリプラットフォームとは、企業(ベンダー)が用意した基盤を利用してアプリ開発ができる、テクノロジーおよびサービスのことです。
アプリプラットフォームを利用する場合、企業から提供される土台やテンプレートを活用することで、知識やスキルが無くてもアプリ開発ができます。
他の開発方法との違い
アプリの開発方法には、大きく分けて3種類あります。
- フルスクラッチ開発
- アプリプラットフォーム
- オプションアプリ
フルスクラッチ開発
フルスクラッチ開発では、アプリの機能・設計・デザインなど、すべての要素をオリジナルで開発します。
以下のようなタスクをすべてゼロから洗い出し、アプリリリースに向かいます。
<フルスクラッチでのアプリ開発で発生するタスク>
- どのようなアプリにするのか(要件定義)
- どのプログラミング言語を使うのか
- データベースは何にするのか
- 機能は何を搭載するのか
- UI/UXを加味したアプリ設計
- テストやデバッグ作業
フルスクラッチ開発のメリット・デメリットは以下の通りです。
フルスクラッチ開発のメリット
- 自社の世界観を自由に表現できる
- 外部システムとの連携が柔軟にしやすい
フルスクラッチ開発のデメリット
- 開発コストが高額であることが多い
- 機能などのトレンドを自力でキャッチアップする必要がある
- セキュリティ対策・保守運用の負担が大きくなる傾向がある
フルスクラッチ開発は自由度が高くクオリティを上げやすい反面、リリース後も自分たちで運営するため、保守運用やアップデート負担がある点は認識しておいたほうがよいでしょう。
アプリに対するある程度の知見と潤沢な予算があり、オリジナリティのあるアプリにこだわりたい企業には最適な開発方法です。
アプリプラットフォーム
アプリプラットフォームは、ベンダー企業が用意した基盤・テンプレートを利用することでアプリを作る開発方法です。
アプリプラットフォームのメリット
- 導入コストを抑えられる
- プラットフォームの機能追加やバージョンアップの恩恵を受けられる可能性が高い
- 保守運用やセキュリティ対策はプラットフォーム側で対応してくれる場合がある
アプリプラットフォームのデメリット
- デザインや外部連携などのカスタマイズに制限がある
プラットフォームを利用すると、比較的低コストで高品質なアプリを導入できます。
その一方で、用意された枠組みの中でしか機能や連携の実装ができない懸念点もあります。
アプリプラットフォームは、コストパフォーマンスが高い開発方法を探している方や、運用後の保守やメンテナンスはプロに任せたいという方にはおすすめの開発方法です。
オプションアプリ
オプションアプリは、CRMやECプラットフォーム、MAなど他のサービスに付帯するアプリのことで、「おまけアプリ」と呼ばれることもあります。
オプションアプリのメリット
- データ連携がスムーズ
オプションアプリのデメリット
- 特定のアプリ開発ベンダーに限定される
外部のシステムとの連携に制限があるとはいえ、無料で始められるものもあるため、アプリを試してみたい方にはおすすめです。
このように、アプリ開発にはさまざまな開発方法があります。
それぞれの開発方法の違いやメリット・デメリットについては、「ECアプリを導入したい方必見!3つの開発方法とそれぞれのメリット・デメリット」の記事で詳しく紹介しています。
気になる方は参考にしてみてください。
アプリプラットフォームはモバイルアプリ向け
アプリには、Web上で利用できる「Webアプリ」と、モバイル端末にインストールすることで利用できる「モバイルアプリ」があります。
- Webアプリ(※):Webブラウザ上で利用できる(URLまたは検索にてアクセス可能)
- モバイルアプリ:スマホなどモバイル端末にインストールすることで利用できる
一般的に「アプリプラットフォーム」と呼ばれるサービスは、スマホやタブレットをはじめとしたモバイル端末向けのアプリ開発プラットフォームを指しています。
※ここでのWebアプリは「PWA(Progressive web apps)」を指しています。PWAはWebアプリの一種で、ホーム画面に保存するとアプリのように見せることもできる特徴を持っています。
費用相場
アプリプラットフォームを検討する際に、最も気になるのは費用ではないでしょうか。
ここでは、開発にかかる費用の内訳と、金額の目安を紹介します。
(見積もりは開発方法や課金システムによって大きく変わるため、ここでは弊社の提供するアプリプラットフォーム「MGRe(メグリ)」での相場をお伝えします。)
アプリプラットフォームでのアプリ制作における費用には、以下の3つの項目が含まれます。
- 初期費用
- 月額費用
- オプション費用
初期費用
初期費用は、文字通り「初回だけかかる開発費用、設定費用」のことです。
アプリを作る上で必要な環境を用意し、機能や仕様を設定し、アプリストアへの公開手続きを行うまでの費用を指します。
<費用の内訳>
- 環境構築
- 各種設定(アプリ機能など)
- アプリストア申請・公開手続き など
<費用目安>
300~800万円程度
月額費用
アプリプラットフォームの月間利用料です。費用の中には、プラットフォームの維持費やメンテナンス費用が含まれます。
MGReの場合は、MAU(※)によって費用が変動するため、定額によるサブスクリプションとは異なります。
<費用の内訳>
- 保守/運用
- 設備(クラウドサーバー等)
- MAUに応じた利用料
<費用目安>
20万円~(MAU数により変動)
※MAU:月間アクティブユーザー数のことで、月に1回以上アプリを開いたユーザーの数を指す
オプション費用
オプション機能を利用する場合には、アプリの基本機能に加えて追加費用が発生します。
具体的な金額は機能の内容によって異なるため、相場を伝えることは難しいですが、数万円単位から利用できるものもあります。
なお、オプション機能の利用には、初期費用と月額の追加費用が必要となります。
<費用の内訳>
- 追加機能の利用料
- システム連携
<費用目安>
月額数万円~
ここではMGReの目安をお伝えしましたが、サービスによって料金システムや費用の内訳は異なります。
たとえば、初期費用は安くても店舗数(アカウント数)によって料金が肥大化するケースがあります。
また、月額費用がダウンロード数により起算されるため、累積で利用金額が上がり続けるパターンもあります。
これらの料金システムに良し悪しは無く、企業の方針によって相性は変わるため、自社に合うアプリプラットフォームを探しましょう。
自社の規模感に合った価格帯であることと、自社が作りたい世界観を実現できること、その両立ができる開発手段を見極めることが大切です。
料金形態について
アプリプラットフォームの料金形態には、大きく分けて2つのパターンがあります。
- ダウンロード数による課金
- アクティブユーザー数による課金
ダウンロード数による課金
累計ダウンロード数による課金の場合、これまでにそのアプリをダウンロードしたユーザーの数に応じて月額料金が発生します。
料金がダウンロード数増加によって積み上がるため、リリース直後は課金の金額が少なく、時間が経過するほどに利用料金は増える傾向にあります。
アクティブユーザー数による課金
アクティブユーザー数による課金の場合、多くの場合は1ヶ月ごとのアクティブユーザー、つまりその月に1回以上アプリを起動したユーザーの数だけ課金対象とする「MAU課金」であることが多いです。
離脱したユーザーの数に関わらず、リアルタイムでアプリを利用しているユーザー数の分だけが課金対象となるため、リリース後に一定期間が経ったあとも利用料金が上下します。
MAU課金について詳しく知りたい方は、『アプリ図解百科【運用編】』ホワイトペーパーで用語の解説をしています。
無料でダウンロードできるので、参考にしてみてください。
アプリプラットフォームの種類
アプリプラットフォームには、3つのタイプがあります。
比較検討をする際には、どのタイプのアプリプラットフォームなのかを把握しておくことで、アプリの完成イメージを描きやすくなります。
テンプレート型(パッケージ)
あらかじめ用意された機能の組み合わせにより、アプリを制作できるプラットフォームのタイプです。
費用を最も抑えやすく、短期間で制作しやすいことが特徴です。
その一方で、カスタマイズ性が低く、機能やデザインが似通ってしまう傾向にあるので、オリジナリティを求めたい場合には不向きな開発方法と言えます。
また、システム連携は基本的には難しいことがほとんどです。
ノーコード開発型
アプリをカスタマイズできるツールが用意されており、開発知識が無くても、好みのアプリにアレンジできるプラットフォームのタイプです。
ドラッグアンドドロップで機能を付け外し、直感的に操作できたり、自由度の高さを求める方にはおすすめの開発方法です。
気にしておくべき点としては、カスタマイズ機能の追加が難しいことと、システム連携に制限がある点です。
MAやCRMといった外部ツールとの連携を検討している場合には、ベンダーに相談してみましょう。
ハイブリッド型
「ハイブリッド」とは、プラットフォームとスクラッチ開発の双方の要素を兼ね備えた形態である、という意味です。
メリットとしては、用意された機能を利用することで、短期間での開発が可能となります。また、外部システム連携などのカスタマイズも行うことができます。
一方、デメリットとしては、カスタマイズが増えるとコストがかさむことがあります。
MGReは、このハイブリッドな開発形態に該当します。
アプリプラットフォームの選び方に悩んでいたり、それぞれの違いをより詳しく理解したい方は、弊社担当者までお気軽にご相談ください。
各プラットフォームの特徴や選び方のポイントについては、今後の記事であらためて紹介する予定です。
成功事例
最後に、アプリプラットフォームを導入して成果が出た事例を紹介します。
ここでは、弊社『MGRe』の導入事例をもとにお伝えしていきます。
ムラサキスポーツ様:フルスクラッチからプラットフォームへの乗り換え
フルスクラッチ開発のアプリからアプリプラットフォームへ移行した企業の成功事例です。
フルスクラッチでの運用をしていた際に、知識やスキル面での課題が表面化し、「画面が白くなって表示されない」などのトラブルが発生したことで、プラットフォームに乗り換え。
さらに、ECサイトとの連携ができるプラットフォームを選定し導入した結果、ECサイトの売上が20%アップしています。
詳しくは、こちらの事例インタビュー記事をご覧ください。
青山フラワーマーケット様:オプションアプリからアプリプラットフォームへの乗り換え
オプションアプリからプラットフォームへ乗り換えた事例で、オプションアプリにおける機能面の制約をきっかけにリプレイスに踏み切っています。
マーケティング機能が搭載されており、旧アプリの会員移行が実現できるプラットフォームを選定しリニューアルをしました。
また、電波が弱い店舗でも使える機能を搭載していたことで、アプリがスタッフ・顧客により浸透しています。
その結果、来店頻度や購買頻度の向上、アプリを介した既存コンテンツの閲覧がWebの3倍に増える(エンゲージメント向上)などの結果に繋がりました。
詳細はこちらの事例インタビュー記事にて語られているので、あわせてご覧ください。
まとめ
アプリプラットフォームには、メリットもデメリットもあります。前提として、すべての企業に必ず合う開発手段は存在しないのが実情です。
まずは複数ある開発方法のそれぞれの特徴を知り、自社に合う開発方法を見極めることが大切です。
法人向けアプリであれば、弊社は10年以上アプリ開発に携わっているので、お力になれることがあるかもしれません。
アプリ開発やリニューアルを検討していて、プラットフォーム導入が視野に入っている方は、弊社までお気軽にお尋ねください。