MGReは小売業に特化したサービスのため、アプリのメニューにECサイトへの導線を用意することがほとんどです。世の中にはそういうアプリはたくさんありますが、実際に使っているときにこんな経験をされたことはないでしょうか?
「さっきアプリで会員登録してログインしたのに、ECで購入しようと思ったらまたログインさせられた(怒)」
同じ話を何度も聞かされるのは普通はイヤだと思いますが、同じアカウントを何度も入力させられるのも結構イヤなものです。
アプリ上で表示しているECサイトは単にWebページを表示しているだけというパターンは多く、この手の場合にこういうことがよく起きます。アプリの機能のように表示しているものの、実際はアプリ内に組み込まれたブラウザというわけです。
アプリ内のブラウザでECサイトを開くときに、高度に発達したテクノロジーを駆使して自動でログインしてくれれば問題ないのですが、基本的にwebページを表示しているだけなのでアプリとはまた別の話。ECサイト側はページがアプリで表示されてるかどうかではなく、ブラウザで閲覧しているユーザーとして認識するため、あくまでログインの際は「ユーザーが画面上でIDとパスワードを手入力する」ことが大前提となっているわけです。だからもう1度ログインさせられるハメに。
でも使っているユーザーの立場としては「アプリとWebサイトは別」と言う話はどうでもいいことで、アプリの中でECサイトまでつながっているのに(そう見えるように作られているのに)、再度ログイン操作をさせられるのはストレスでしかありません。それだけならいいですが、さっきアカウント情報入れたのにまた聞かれると、何かおかしなサービスが情報を盗もうとしてるんじゃないか? と不審がる方もいるかもしれません。
いずれにしろユーザーはログインした後に、自身が明示的にログアウトしたわけでもないのに再度アカウント入力を求められることにはストレスだけでなく違和感も覚えるわけです。銀行アプリで高額な振込操作をする場合とか、納得できる理由つきでよほど丁寧なアナウンスをしないと、不親切・不誠実なサービスと思われても仕方ありません。
自動でログインする仕組みはある
「アプリ内のブラウザでECサイトを開くときに自動でログインしてくれればいい」と書きましたが、これを実現する仕組みはあります。
シングルサインオン(SSO・自動ログイン)などと呼ばれる仕組みがECサイトに用意されていれば、アプリ側がそれを利用して連携させてあげるだけで自動でログインさせられるようになり、以降はECサイトで再ログインするようなこともなく、快適にアプリを使うことができるようになります。
他にも連携させる方法はありますし、それは高度なテクノロジーというわけでもありません。
ただ、連携させるにはどうしても開発が必要になります。方式も色々あるので、案件毎のカスタマイズ開発になってしまいがちです。ECサイト側との調整も必要ですし、アプリ側が工夫しないと実現が難しい場合もあったりして、地味なわりにはちょっと敷居が高い機能開発になるのかもしれません。「できません」と断言してしまう開発会社さんやアプリのソリューションもあると思います。
そんなこんなで、意外とないがしろにされていると思われるこの機能。ほんとにそんな扱いでいいんでしょうか。
それでも絶対にやるべき理由
弊社がアプリのプランニングをするとき、この機能の実装はかなり強くお勧めしています。
1つめはここまで書いたように、いわゆるUX的な観点でお客様視点に立ったとき、アプリとしての使いやすさやサービスとしての誠実さを提供できるメリットが大きいという点。
もう1つは、今回ECサイトを例に挙げて書いてますが、例えばアプリに届いた商品の紹介記事を見たり、お気に入り商品が値下げされたことをPush通知で見たお客様が、そのあと購入に至る(またはカートに入れる) までストレス無くスムーズにアプリ内で目的を達せられるかどうかは売上に直結する部分だからです。
これはECサイトを組み込んだアプリであれば最も気を使わなくてはいけないことで、お客様が「買いたい!」 と盛り上がった気持ちを途中で冷めさせてしまうようなログイン画面の仕組みは妥協してはいけないポイントだと思います。
サイト側にこの機能がなかったら、まずその追加開発を優先して連携すべき。それぐらい重要だと考えています。
MGReには豊富な実装事例があります
MGReではSSO連携の実績が多数あります。実際に弊社で開発支援したパタゴニア公式モバイルアプリやシェルターパスは自動でECサイトにログインできる仕組みになっていて、快適にアプリを使うことが可能です。
アプリ側でかなり頑張って実現した例もあるので、他社でできないと言われた場合でもぜひお問い合わせください。必要であればサイト側との仕様調整からきっちりお手伝いさせていただきます。
この記事を書いた人
篠田 健吾
メグリ株式会社 プロダクト部 プランナー
2014年ランチェスター(現・メグリ)入社。受託開発を中心に行っていた頃からWebサイト・アプリの分析および企画を担当。「MGRe」サービス開始後は営業担当として新規案件の提案業務に注力したのち、現在はプロダクト開発チームでプランニング担当として新機能の企画や改善検討に勤しむ。