EAPを大幅アップデート 新サービス「MGRe」のコンセプトとは

2020年6月、ランチェスターはアプリプラットフォームのMGRe(Make Good Relationship:メグリ)をローンチしました。MGReは、これまで提供してきたEAPを大幅にアップデートし、リブランディングを実施したサービスです。ブランドロゴ、ミッションを刷新し、新たなサービスとして展開します。

今回は、ランチェスター代表の田代と、田代と共にブランドのコンセプトを固めていったマーケティング部の山本、ブランディング担当の平田が、MGReに込めた思いを語ります。

MGReで実現する、企業と顧客のより良い関係

─ まずはMGReのブランドコンセプトについて教えて下さい。

田代 ランチェスターがMGReを通して実現していきたいのは、アプリを介して得られるお客さまのデータを元に、顧客体験を向上させていくことです。そもそも「企業と顧客のより良い関係を支える」ことがランチェスターのミッションです。そして、「すべてのデータをよろこびの体験に」というビジョンを掲げています。

平田 MGReのロゴやサイトにも「すべてのデータをよろこびの体験に」というランチェスターのビジョンを記載しています。

山本 企業にとってアプリは、お客さまとの大事な接点になりますから。

田代 ウェブサイトと違って、アプリって主にリピーターの方が使ってるんですよね。そのお店やブランドが好きなお客さま一人ひとりに向けて、適切な顧客体験を作っていきたいです。

平田 2017年11月にEAPをローンチした当初から、このMGReの構想はあったんですよね?

田代 「データとコンテンツを循環させて顧客の体験を作っていきたい」という想いはずっと持っていました。MGReのプロジェクトが立ち上がったのは2019年の夏頃です。当初はネーミングもまだ決まっていなくて、EAP2.0としてプロジェクト化されていました。

山本 僕が入社したのは2018年頃ですが、そのときには既に構想はありましたね。

平田 当時は、技術的に難しいところもあり、MGReの構想は断念したと聞いています。その後、EAPリリース後に、お客様からのフィードバックを元にMGReの構想を具体化し、技術的にも可能な段階になったということで、プロジェクト化に至ったんですよね。

田代 そうです。EAPでは、クライアントごとにインフラやプログラムを、ご契約時の最新バージョンで提供していました。このやり方なら、アプリを自由にカスマイズができるので、その企業に合った機能を作ることが可能です。しかし、EAPというベースは同じでも、カスタマイズをすることで、企業ごとに全く違うシステムができてしまいます。そうなると、運用コストが高くなります。

山本 それに、プロダクトのアップデートを、企業ごとにカスマイズされたシステム全てに適用するのが難しいといった課題もありました。

田代 はい、一言でカスタマイズといっても、アプリのデザインを変えることや、他のシステムとつなぐことなど、様々な目的がありますから。アプリのデザインや機能は、我々がベストプラクティスを提供すればいい。しかし、企業ごとに導入されているCRMやECなどの外部システムは、当然ながら企業によってバラバラです。だから、外部システムの連携部分だけは、企業に合わせて自由に開発できるようにする必要がありました。

平田 そこはEAPにもあった自由度を残しているんですね。

田代 はい、その自由度は残しつつ、基本機能はオートアップデートを可能にしました。マルチテナントで全てのクライアントに新しい機能を提供できるようになったのがMGReです。また、EAPでは企業側のエンジニアの稼働が必要でした。既に企業側にあるプログラムをエンジニアが書き換えながら、EAPを利用してアプリを開発していたんです。そこがMGReでは、SaaS化したことでエンジニアの稼働が最小限で済むようになりました。これがEAPとMGReの大きな違いです。そうすることで、どの企業もアプリ導入のハードルが低くなると思います。僕たちはアプリは大事な顧客接点だと考えているので、MGReで「企業と顧客のより良い関係」を支えていけたらと考えています。

平田 サービスのアップデートを機に、ネーミングも「EAP」から「MGRe(メグリ)」に。ロゴやミッションも刷新し、”リブランディング “という形で2020年6月にリリースしました。

MGReの名前とロゴに込めた想い

─ MGReという名前やロゴは、どのように生まれたんでしょうか。

山本 サービス名やロゴは、ビジョンでもある「すべてのデータをよろこびの体験に」をブランドコンセプトに導き出しました。

田代 コンセプトをサービス名称に落とし込むのに苦労しました……。MGReという名前に決まるまでが、一番時間がかかったんじゃないでしょうか。

山本 サービス名は「Make Good Relationship」と、データを循環させるという「巡り」の2つの意味を込めています。外部のコンサルやPRの方を交えながら何度も案を出して、 19年末頃にようやく決まりましたね。

MGReのロゴマーク

 

平田 MGReのロゴは、0と1でできていて、これはデータ用いたサービスを表現しているんです。それから”巡り”をイメージしたシンボルにしています。また、矢印が上向きになっているのはお客さまと一緒に成長していく様子を表現しています。

山本 企業としては、売上と利益を伸ばしていきたいと思うので、そういう意味での「成長」もMGReでしっかり支援していきたいです。

田代 あとは、より覚えてもらいやすいサービス名称であることを重視しました。EAPは、AmazonのAWSやGoogleのGCPのようなインフラ寄りのクラウドプラットフォームに似た表現をしていましたが、より親しみやすく発音しやすいように意識して考えました。

─ これからはブランドの強化も考えていますか?

山本 はい、ブランドの強化にも力を入れていこうと思っています。そのために入社してもらったのが、平田さん。

平田 私が入社したのが2020年2月なんですが、専任でブランディングを担当しています。MGReの知名度を上げることはもちろんのこと、今お話したようなブランドに込めたメッセージなども伝えていく役割も担っています。

企業のデジタル化フェーズに対応した3つのプラン

山本 MGReには、アプリにコンテンツを集約して短期間でアプリマーケティングをスタートできるエントリープランから、すでに構築済みのCRMやECなどとのシステム連携が可能なエンタープライズプランまでお客様のニーズに合わせた3プランで展開しています。

─ EAPとは違って、MGReで3つのプランを作ったのはなぜですか?

田代 MGReでは、EAPで開拓できなかった企業にもアプローチして、ターゲットを拡大していきたいと考えています。

山本 EAPでは、もともとDXが進んでいる企業をサポートするのが主でした。一方、MGReではこれからDX推進していこうという企業も支援できるようなプロダクトになっています。プラン内容も企業の課題に合わせられるよう、3つ作りました。

田代 今までは、企業側でCRMの整備をしてもらって、その環境ができてからEAPを導入してもらっていました。だから、導入できる条件が厳しかったんですよね。今回のMGReになって、3つのプランのうちの「スタンダード」ではCRM(顧客管理システム)をセットで提供します。

MGReが展開するプラン

山本 さらに、CRMの運用が難しい企業向けに用意したのが「エントリー」。アプリ単体でご利用いただけるプランです。

田代 EAPと違ってノーコードで導入できるため、導入のハードルが下がりますよね。

山本 あとは、裾野を広げるだけでなく、今まで通りデジタルに力を入れている企業向けのプランもありますます。「エンタープライズ」は、企業側で既に持っているシステムとMGReのプロダクトを柔軟に連携できることが強みです。

田代 これは全てのプランに言えることですが、今まではカスタマイズで機能を追加していたのを、MGReでは自動で新機能が追加されます。

山本 ローンチ前、営業先に「こんなプランを作ろうと思うんですけど、どうですか」とヒアリングを重ね、プラン内容をブラッシュアップしていきました。だから、企業のニーズや課題に沿ったサービスになっていると思います。

─ MGReを導入した企業に対して、導入後の支援は考えていますか?

平田 サービスを提供するだけでなく、導入後も企業を支援するための「カスタマーサクセス」という部署も設立しました。

山本 今までサービスを提供してきた企業は、独自で運営できているところが多かったんです。そういった企業の取り組みや、ランチェスターの今までの支援内容を元に、カスタマーサクセスを立ち上げて本格的にマーケティング支援を行っていきます。また、DXの第一歩としてエントリープランからMGReを導入した企業も、DXを進めながらその時々の課題に合わせたプランを提供できればと思っています。

将来的には、小売業界以外でもMGReを活用させていく

─ MGReの今後の展開について教えていただけますか。

山本 将来的には小売以外の業界も視野に入れて、データを顧客体験に還元していきたいですね。

田代 「データとコンテンツを循環させて顧客の体験を作っていく」ことは、小売業に限らず挑戦していきたいです。それに、今の時代はアプリが大事な顧客接点ですが、絶対にアプリじゃないといけないわけではない。将来的には変わっていく可能性があると、柔軟に考えています。

─ 小売以外というと、具体的にはどのあたりを視野に入れていますか?

田代 これからは、車や不動産、ジュエリーなどの高額商品を扱う小売業なども視野に入れていきたいです。これらの高額商品の販売の支援がMGReでできると思っています。車やジュエリー、不動産を買う時って、お客さまに営業担当が付きますよね。MGReなら、集めたお客さまのデータから、どんな商品やサービスを勧めたらいいか、示唆に富んだヒントを出すことができます。

山本 MGReでは、年齢や性別、購入金額、購買履歴、行動データなどを掛け合わせて、お客さまがどういう傾向の人なのか分かりますからね。

田代 だから、どんなアクションを起こせばいいのか手掛かりになるはず。そんな風に、より多くの企業を支援していきたいと考えています。

山本 企業の状況に合わせて、我々が提供できるもの、支援体制、サービス内容など、常にアップデートしながらターゲットを広げていきたいですね。

田代 MGReで企業のDXを支え、データを顧客体験に還元させて、より良いライフスタイルを提供できたらなと考えています。

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