ASO対策とは?具体的なやり方や成果を上げるTipsまで解説

スマートフォンの普及に伴い、App StoreやGoogle Playなどのアプリストア上には数えきれないほどのアプリが配信されています。激しい競争のなかで、自社アプリをユーザーに見つけてもらい、ダウンロードしてもらうには「ASO対策」が欠かせません

ASO対策は、アプリのタイトルや説明文、スクリーンショット、レビューなどを最適化することで、ストア上における検索順位を上げ、自然流入やダウンロード数を増やす施策です。

本記事では、ASO対策の基本的な考え方から具体的な施策、さらに成果を高めるためのTipsまでをわかりやすく解説します。アプリのダウンロード数を増やしたい方は、ぜひご覧ください。

ASO対策とは

ASO対策とは、アプリストア上で自社アプリが表示される順位を上げ、自然流入数・ダウンロード数を増やすことを目的とした施策です。アプリ版のSEOともいえる施策で「アプリストア最適化」とも呼ばれており、アプリのタイトル・説明文・スクリーンショット・レビュー・評価など、多角的な要素を最適化します。

ASO対策を行うアプリストアは「Google Play」と「App Store」が大半を占めます。そのため本記事では、Google PlayとApp Storeでの対策を前提に解説します。

ASO対策が重要な理由

ASO対策が重要なのは、アプリダウンロードはストア内の検索経由で多く発生していることが理由です。

Appleの公式サイトによると、App Storeの訪問者の70%近くがアプリを探すために検索しており、およそ65%のダウンロードが検索後に直接行われています。アプリストア内でジャンル・機能などで検索された際に上位表示されれば潜在ユーザーにもアプローチできるため、詳細ページへの流入数・ダウンロード数の増加が期待できます。

また、アプリストア上で自ら検索しているユーザーは、自身の課題・ニーズの解決のために能動的に検索しているため、熱量が高いユーザーです。バナー広告などで流入した受動的なユーザーと比べてアクティブなユーザーを獲得できる可能性が高く、大きなLTV(顧客生涯価値)も秘めています。

参照: Apple Search Ads Advanced

LTVについては、以下の記事にて詳しく解説しているので参考にしてみてください。

https://mgre.jp/columns/ltv.html

ASO対策のやり方

ASO対策の内容は「アプリストア内で上位表示させること」と「アプリのダウンロード率を高めること」の2つあります。そもそも、ユーザーがアプリを検索した際に自社アプリが表示されなければダウンロードされることはありません。そのため、上位表示させてからアプリ詳細ページへの流入数を増やしたうえで、ダウンロード率を高める順番で対策していくことが大切です。

上位表示させるために必要な要素

ストア内で自社アプリを上位表示させるために必要なのは、以下3つの要素です。

  • タイトルにキーワードを入れる
  • 説明文にもキーワードを入れる
  • アプリのレビューを増やす

 

タイトルにキーワードを入れる

アプリのタイトルには、自社アプリの呼称以外に上位表示させたいキーワードも含めましょう。検索ボリュームの大きさ・上位表示させる難易度なども考慮し、検索されやすく機能が伝わりやすいキーワードを選定します。たとえば、カレンダーアプリの場合「カレンダー」「スケジュール」などのキーワードが挙げられます。

また、サジェストキーワードを含めることも有効です。サジェストキーワードとは、対象のキーワードと一緒に検索されるキーワードのことで「カレンダー 無料」「カレンダー 共有」などが該当します。

キーワードは専用ツールを活用することで効率的に選定できます。たとえば、Google公式のキーワード調査ツール「Google キーワードプランナー」の場合、特定のキーワードの検索ボリューム数・サジェストキーワード・競合性などが確認できます。

なお、アプリタイトルの文字数は、App Store・Google Playのいずれも30文字が上限です。文字数に制限があるうえデバイスによっては最後まで表示されないため、重要なキーワードはできるだけタイトルの左側に記載しましょう

説明文にもキーワードを入れる

タイトル作成時に選定したキーワード・サジェストキーワードをアプリの説明文にも入れることで、上位表示を狙えます

特にGoogle Playのアルゴリズムでは、タイトル以外に半角80文字が上限の「簡単な説明」、半角4,000文字が上限の「詳しい説明」などの説明文からもキーワードが抽出されます。そのため、説明文全体に自然な流れでキーワードを配置することが大切です。

一方App Storeの場合、説明文はアルゴリズムによる評価や上位表示に直接影響しないといわれています。代わりに、開発者側で設定する「キーワードフィールド」がタイトル・サブタイトルとともにキーワード抽出の対象となるため、100文字を上限に「カレンダー,スケジュール,予定管理」のように、キーワードを追加してインデックスできます。

いずれのストアでも、キーワードを無理に詰め込むことは控えるように注意喚起しています。キーワードは乱用せず、自然な文脈で使用しましょう。

アプリのレビューを増やす

ASO対策において、ユーザーからの評価の証であるレビューの数を増やすことも大切です。レビューはアプリをダウンロードするかどうかの判断材料になるため、アプリの質を表すものです。App Storeもアプリの評価・レビューの質や数は、検索結果に表示される順位に影響することを明言しており、ASO対策におけるレビューの重要性を裏付けています。

また、高評価だけでなく低評価のレビューを受けるケースもあるでしょう。この場合、アプリの改善に活かすだけでなく、悪いレビューに対して誠実に返信しましょう。アプリのレビューは初期設定で「参考になった順」で表示される仕組みのため、たとえ星5のレビューが多くても星1のレビューがファーストビューに表示される可能性があります。

低評価のレビューがダウンロードページ上で目立つと、検索順位を左右する指標の1つである「アプリのダウンロード率」が低下する恐れがあります。問題点に対処することを返信することで他ユーザーに信頼性をアピールできるだけでなく、低評価したユーザーに高評価してもらえる可能性もあります。レビューを増やすにあたって、低評価への対処もあわせて実施しましょう。

ダウンロード率を高めるために必要な要素

アプリのダウンロード率を高めるために必要なのは、以下3つの要素です。

  • 適切なアイコンを設定する
  • ユーザーニーズを意識して説明文を作る
  • スクリーンショットやプレビュー動画を活用する

 

適切なアイコンを設定する

アプリのアイコンは、ユーザーがストア上でアプリを探す際に最初に目に入る要素です。そのため、アプリの機能・目的などが一目でわかるようなデザインに加え、競合と差別化したオリジナリティのあるアイコン設定しましょう。

またアイコンのデザインは、アプリのターゲットユーザーの年齢・性別などによって効果的なデザインが異なります。たとえば、たとえば子ども向けアプリであれば明るくポップな色使い・キャラクター性などが効果的ですが、ビジネスパーソン向けアプリであれば落ち着いた色合いとシンプルなデザインが好まれます。

アプリの機能・目的が直感的に伝わるだけでなく、自社アプリのターゲットのユーザー層・競合なども考慮したアイコンを設定しましょう。

ユーザーニーズを意識して説明文を作る

アプリストアの説明文の最大の役割は、詳細ページに流入したユーザーにアプリをダウンロードしてもらうことです。そのため、ユーザーにインストールしたくなるような説明文を作成しましょう。

訴求力の高い説明文を作成する方法の1つに、サジェストキーワードを参考にする方法があります。たとえば「カレンダー 共有」といったサジェストキーワードがある場合、家族やチームでスケジュールを共有しやすい点をアピールすると効果的です。具体的には「家族がスケジュールを追加したら通知されて予定を見落とさない」「ビジネスチームでタスクの進捗をリアルタイムに把握できる」などのメリットを盛り込みましょう。

このようにサジェストキーワードを取り入れることで、実際にユーザーが検索しているキーワードとアプリの魅力が結びつけられるため、ダウンロード率の向上が期待できます。

スクリーンショットやプレビュー動画を活用する

説明文だけでなく、アプリのスクリーンショットやプレビュー画面なども活用すると効果的です。テキストだけでは伝えきれないアプリの魅力を視覚的に訴求できるうえ、アプリの内容を素早く理解してもらえます。

引用:ムラサキスポーツ – Google Play のアプリ

また、詳細ページのファーストビューに表示される画像・動画が魅力的であれば、ユーザーの離脱を防ぐことも可能です。スクリーンショット・プレビュー動画は、アプリの説明文と同様にサジェストキーワードなどを参考にしてユーザーニーズを満たせるコンテンツを作成します。自社アプリでユーザーが抱える課題が解決できることが伝われば、ダウンロード率アップにつながるでしょう。

アプリ内で実施できるASO対策

ここまでは、App Store・Google Play上で実施できるASO対策を解説してきました。ここからはアプリ内で行えるASO対策の例として、以下2つを紹介します。

  • 利用率を高めるための改善を続ける
  • 効果的なタイミングでレビュー依頼をする

 

利用率を高めるための改善を続ける

アプリの利用率や継続率は、アプリストアが検索順位を決める際の重要な指標の1つです。ダウンロード後にすぐアンインストールされるアプリはユーザーのニーズに合っていないと判断され、結果的に検索順位が下がるリスクがあります。そのため、ストア上での評価を向上させるには、ユーザーに使い続けてもらえるアプリへと常に改善し続けることが重要です。

弊社が提供するアプリプラットフォーム「MGRe(メグリ)」では、さまざまな分析ができるためアプリの利用率を高める施策を打つことが可能です。

MGReの運用時には「MGRe Insight(メグリ インサイト)」が利用でき、**アプリの顧客を知るための「分析」**と、**分析に基づいた施策を実行するための「施策・データ出力」**の2つの機能が搭載されています。

たとえば、分析機能における「ランキングボード」では、以下のようにアプリ内のコンテンツごとに表示回数・お気に入り登録数・利用回数・などを把握できます。

また、施策・データ出力機能に含まれる「アクションボード」では、以下のように離脱ユーザー・プッシュ未許可ユーザーなどのつながりを強化したいユーザーを抽出できます。

このような機能を活用することで、アプリの利用状況を詳しく把握したうえでユーザーのニーズに合わせた施策を打つことが可能です。たとえば「クーポンの使用状況を分析し、人気のあるクーポンの配信頻度を増やす」といった施策の実行により、アプリの利用率向上につなげられます。

利用率の向上は検索順位にもポジティブな影響を与え、さらに多くの新規ユーザーを獲得する好循環を生み出します。施策を繰り返して検証・改善しながら、アプリを成長させましょう。

効果的なタイミングでレビュー依頼をする

アプリストア上のレビューを増やすために、ユーザーの満足度が高まっているタイミングでレビュー依頼をすることもASO対策において有効です。たとえばカレンダーアプリの場合「スケジュール追加を一定回数完了した」「他ユーザーのカレンダーと初めて同期させた」といったタイミングが挙げられます。

このような場面でのレビュー依頼には、アプリ内レビュー機能を活用する方法があります。Google Playでは「In-App Review API」、App Storeでは「SKStoreReviewController」を利用することで、ユーザーがアプリを利用している最中にレビューを依頼できます。ただし、多すぎる頻度でレビュー依頼をすると、ユーザビリティを損ねてしまい逆効果になる可能性もあるため注意しましょう。

満足度の高いタイミングでのレビュー依頼とレビューのしやすさを両立させ、ポジティブなレビューを多く獲得しましょう。

成果を上げるASO対策Tips

ここまでASO対策の基本的な施策を紹介してきました。さらに成果を高める方法として、ここからは以下3つの施策を解説します。

  • ABテストの実施
  • ディープリンクの活用
  • 広告の活用

 

ABテストの実施

アプリストアに掲載する説明文やアイコン、スクリーンショット、プレビュー動画などのABテストを実施し、コンバージョン率を高める施策も有効です。

Google Playの場合「Google Play Console」において、ABテストを実施できるストア掲載情報のテスト機能を提供しています。また、App Storeにおいても「App Store Connect」を活用することでABテストが実施できます。

いずれもアイコン・スクリーンショット・プレビュー動画のABテストは可能なものの、説明文はGoogle Play Consoleのみテストできます。よってApp Storeの説明文は、Google Playでの結果をもとに改善する必要がある点に注意しましょう。なお、説明文のABテストはローカライズテストに限定されます。

ディープリンクの活用

ASO対策において、ディープリンクを活用することも効果的です。アプリにおけるディープリンクとは、Webぺージやスマートフォンアプリなどからアプリの特定コンテンツへ直接遷移するリンクのことです。

たとえばクーポンを活用し、休眠ユーザーのリエンゲージメントを狙ってディープリンクを使う場合、受け取ったプッシュ通知がユーザーにタップされるだけで、アプリ内の関連商品ページに誘導できます。

ユーザーにストレスをかけずにアプリへの遷移を促せるだけでなく、アプリ内の特定コンテンツに直接アクセスできるため、コンバージョン率アップにもつながります。ユーザーエクスペリエンスの向上や休眠ユーザーの掘り起こしなどが可能なため、ASO対策にも有効な施策です。

広告の活用

アプリのダウンロード数もアプリストア上での検索結果に影響します。よってアプリのダウンロード数増加もASO対策につながるため、広告を活用してダウンロード数を増やし、好循環を生み出すことも1つの手段です。

広告を出稿する方法は、リスティング広告・バナー広告・動画広告などの「Web広告」や、Search AdsやGoogle Playストア内検索広告などのアプリストア上に広告を出稿する「検索広告」などを活用する方法があります。

ただし、短期間で広告を大量に出稿してアプリのダウンロードを促し、ランキングを意図的に上昇させる「ブースト広告」の手法は、AppleやGoogleでは原則禁止されています。特に、リワード広告をブースト目的で利用することは問題視されているため、広告出稿時は注意しましょう。

まとめ

ASO対策とは、検索順位を引き上げ、自然流入数やダウンロード数を拡大するために欠かせない施策です。タイトルや説明文、レビュー、アイコン、スクリーンショットなどを多角的に最適化することで、ユーザーの興味を引きつけ、アプリのインストールにつなげやすくなります。さらに、ABテストやディープリンク、広告活用といった施策の組み合わせにより、コンバージョン率や利用率をより高めることも可能です。

本記事で解説したASO対策のやり方を参考に、アプリのダウンロード数増加を目指してASO対策を実践してみましょう。