デサントジャパン株式会社様

顧客第一のアプリは「コンセプト」が重要、
担当者が開発前に決めておくべきこと

デサントジャパン DTC部門 デジタルビジネス部 デジタルビジネス推進課 石井久美さん(写真左から2番目)

デサントジャパン スタッフ部門 情報システム部 プラットフォームシステム課 番小輪子さん(写真左から3番目)

デサントジャパン DTC部門 デジタルビジネス部 部長代行 古井戸一郎さん(写真右から2番目)

スポーツブランド・デサントのアプリが2020年3月にリリースされました。

アプリ開発の前に担当者がこだわったのは、コンセプトの設計。

コンセプトメイクの重要性について、ランチェスターとデサントのメンバーが語ります。

「つなぐ・つながる」というコンセプトのもと、お客様に体験を届ける

石井さん(以下石井) 今回のアプリは、「つなぐ・つながる」というコンセプトのもとに開発していきました。

古井戸さん(以下、古井戸) 今まで、お客様とデサントの繋がりって、「点」でしかなかったんですよね。

石井 はい。お客様がデサントのイベントに来てくださっても、それ以降の繋がりが作れていませんでした。今回のアプリで、イベントに来てくださったお客様に、次回はお店で購入していただいたり、デサントからのニュースをお知らせしたり、継続的な関係を作っていきたくて、「つなぐ・つながる」というコンセプトに決めました。「点」だったお客様とデサントの接点を繋いでいくようなイメージです。

古井戸 デサントはスポーツブランドですので、各種競技大会の主催、共催、協賛なども行っているんですよね。これまでは、大会内でお客様も参加できる催しを企画して、参加していただいても、それだけで関係が終わってしまっていた。これだと接点が「点」なんです。そこで、接点を全部繋げていきたかった。これがコンセプトに込められた思いです。

田代 まずコンセプトを決めようという話になったのはなぜですか?

古井戸 簡潔なコンセプトがあれば、議論したときに結論が散らばらないと思ったんです。いろんな話をしても、やりたいことは「つなぐ・つながる」こと。それに向かって議論していくことができます。

田代 なるほど。

古井戸 コンセプトがないと、アプリでやりたいことがあやふやになると思うんですよね。例えば、プッシュ通知の機能を付けたとします。プッシュ通知でお客様に伝えたいことは、ECサイトで買い物していただくための情報なのか? デサントというブランドを知ってもらう情報なのか? イベントの告知なのか? そういったことを考える上でも、コンセプトを決めてから具体的な機能に落とし込んでいく必要があると考えたんです。

高田 コンセプトを決めたからこそ、デサントさんならではのアプリになりましたよね。

石井 そうですね。一番特徴的なのが、イベントのタブ。

下部メニューに「イベント」を設置

高田 イベントを前面に出しているアプリって、僕の知る限りでは無いですよ。

石井 今まで店舗でイベントを行う時には、お客様に電話したり、メルマガやDMを送ったりしていました。でもそれって、そこのお店で接点があった人にしか情報をお届けできていなかったんです。今、デサントは全国に60店舗あります。アプリでは、それぞれのお店で行っているイベント情報を一元化して、お客様にお届けできるようになりました。店舗とお客様を「つなぐ」ために、取り入れた機能ですね。

古井戸 イベントのタブは、「つなぐ・つながる」というコンセプトがはっきり決まっていたからこそ打ち出せた機能です。ブランドはお客様に対して、アプリを通して何を伝えたいのか、お客様に情報をお伝えした結果、どんな行動をとっていただきたいのか、それがはっきりしていないと機能を作っただけで満足してしまいがち。「つなぐ・つながる」というコンセプトがあれば、アプリをリリースしたあとも、お客様との繋がりをより強固にしていく使い方を考えていけるはずです。

 

アプリは目的ではなく、ビジネスを伸ばしていく手段

古井戸 ランチェスターさんにお願いすることになったきっかけは、2019年春にランチェスターさん主催のMeetupイベントです。田代さんが登壇されていましたね。

田代 はい、お越しいただきありがとうございました。

古井戸 アプリを作ろうという話になっていたものの、コストも時間もあまりかけられなかったので、スクラッチで作りたくなかったんです。それで、アプリのプラットフォームサービスを提供している会社を探していて、ランチェスターさんを見つけました。

高田 当時のプラットフォームサービスはEAPでしたね。今はMGRe(メグリ)にリブランディングしました。
※2020年6月にEAPは「MGRe(メグリ)」にリブランディングしました。

古井戸 そうでしたね。イベントでは、既に当時のEAPを導入している会社も登壇されていて、皆さん「ランチェスターはアプリを作ってくれるだけじゃなくて、マーケティング施策を一緒に作り上げてくれる」と熱心に話されてたんです。EAPはサービスとしても優れているし、リーズナブル。そして何より田代さんの熱意が伝わってきたので、ランチェスターさんにお願いすることに決めました。

田代 そこまで言ってくださって、嬉しいですね。

古井戸 どんなデジタルツールでも、機能を提供してくれる会社はたくさんあります。でもランチェスターさんは、「その機能を活かしてビジネスをどう変えていくか?」というところまで語られていました。それが決め手でしたね。

田代 我々が伝えたいメッセージが伝わっていてありがたいです。結局アプリって、目的ではなく手段なんです。アプリを使って何を実現したいかが極めて重要。ランチェスターが提供しているアプリプラットフォームをうまく使って、お客様と接点を持って、ビジネスを伸ばしていってほしい。我々が重要視しているのはこれなんです。デサントさんは、そこを理解してくださっていると思いました。

古井戸 ありがとうございます。

田代 そういえば、イベントの翌日に、すぐご連絡いただきましたね。

高田 依頼していただいたあと、他の企業だと「どんな機能を入れていくか」という話に進みます。でもデサントさんは、「アプリをどんな場面で使うか」「どういった使い方ができるか」という話し合いを行いました。1カ月半ぐらいかけて、一緒に考えましたよね。

古井戸 そうですね。コンセプトはデサントのメンバーで考えました。コンセプトを要件定義に落とし込んでいくところから、ランチェスターさんにはコンサルで入ってもらいました。どんなアプリの使い方をすれば、お客様とのコミュニケーションに繋げられるのか、アプリならではの特徴を生かしてどんな機能を活用していくか、コンセプトをもとにしてそのあたりをじっくりと考えていきました。

プロジェクトマネジメントを自社で行うメリット

田代 今回デサントさんは、プロジェクトマネジメントを社内でしっかり行っていましたよね。弊社では、プロジェクトマネージャーが担当する予算とスケジュールの兼ね合いなどの業務までお任せいただくことが多いんです。僕としては、本来はデサントさんみたいに社内でやっていただいたほうがいいと思っているんですが……。

古井戸 外に丸投げしてしまうのは簡単なんですけど、予算とスケジュールは自分達でコントロールしてやっていかないと整理がつかないと思ったんです。やりたいことをアプリ開発に落とし込む前に、リクワイヤメントの取りまとめをする人が必要だと。それで番さんを、名前の通り予算とスケジュールの「番人」にしたんです。

 プロジェクトマネージャーとしては、ビジネス要件とシステム要件を合わせて、そこからぶれないようにするのが仕事です。あとは、やっぱり予算の問題が出てくるので、ビジネス要件でやりたいことが予算の範囲と釣り合っているのか考える。もちろんスケジュール管理も行っていました。

石井 ビジネス要件とシステム要件がマッチしていないと、我々の狙い通りにお客様に使ってもらえなくなりますもんね。

 そうなんです。今アプリをリリースするって遅いほうですよね。競合他社がたくさんいるんですよ。それらを見て、「こんなこともできる!」「あんなことやってる!」って、夢が膨らみます。でも、最初から全部できるわけじゃない。だからまずは、ビジネス要件とシステム要件がマッチしていて、予算とスケジュールのバランスが取れているかというところに、すごく気を使いました。

石井 ずっと「お金がない」って言ってましたよね。

 そう、時間もお金も無限にあるわけじゃないですから。やりたい気持ちはわかるけど、優先順位をつけていく必要がある。アプリってリリースして終わりじゃなく、育てていくものじゃないですか。いずれ大きくなった先に、より多くのお客様と繋がっていくことができるはずなんです。それを目指していくためにも、「まずはこれからやろう」って区切りを付けるのが、今回の私の役割でした。

古井戸 やりたいことに最初から制限をかけてしまうと、小さくまとまってしまいます。だから、やりたいことはとにかく挙げてみる。その上で、プロジェクトをマネジメントしていくのが、番さんの役割でしたね。

田代 そこを自社でしっかり管理できている企業のプロジェクトは、当然うまくいきますよね。管理を外部に任せてしまって、スケジュールも予算もオーバーしてしまう……という事例も実際によく聞きます。

 何度も言うようですが、お金も時間も有限なんですよね。風呂敷を広げるだけ広げてから、「まずはここからやりましょう。そして次はこんなことができます」と畳んでいかなければいけない。その作業を自社で行った上で、開発を進めていただかないと、予算もスケジュールもオーバーしてしまいますよね。

リリース後もコンセプトに沿った運用をしていく

田代 今回のデサントさんのアプリは、とてもよくできたと思っています。

古井戸 ありがとうございます。やっぱり、最初にコンセプトを決めることが重要だと思います。コンセプトがあったから、お客様との接点を強固にしていくための使い方を決めていくことができました。もしコンセプトがなかったら、配信する情報ひとつ取っても「とりあえずこれ出してみようか」と適当になってしまい、受け取る側も「またなんか来たな」ぐらいで終わっていたと思います。アプリという手段を使ってコミュニケーションが取れるように、機能の整理ができたと思います。

田代 アプリに搭載する機能って、実際はどこもあまり変わらないんですよね。会員証、店舗検索、ニュースなど……。ただ、その機能の活かし方で、企業ごとの色が出ると思うんです。ですから、コンセプトやお客様に届けたい体験について、アプリ開発の前からきちんと考えることが大事。そして、リリースしたあとも、コンセプトに沿って運営していく。これが、他の企業との大きな差になっていくと思います。

 アプリを作ってリリースすることが目的になってしまうと、運用が回っていかないですよね。お客様がインストールしてくれても、アプリが更新されないと、削除されてしまう。

田代 そうですね。ちゃんと運用して、お客様に体験を届けることを目的にしていかなければいけない。アプリを運用していくために、社内でコミュニケーションを取って、いろんな部署の方に協力を仰ぐことも必要。これも企業さん側の仕事ですね。

古井戸 アプリをリリースした後も、お客様に新しい情報をお届けできるような社内の体制を整えました。どんなコンセプトで情報発信するのか、そのためにはどの部署と関係を結べばいいのか、社内で調整しました。つまり、常にアプリに最新の情報が集まるように、プロセスを整理したんですよね。それをやったからこそ、うまく運用できていると思います。

田代 それは素晴らしいですね。リリースすることがゴールになっている企業がまだまだ多いので、デサントさんの成功事例を伝えていきたいですね。

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