アプリを通して、ブランドの世界観を表現したい

アプリの開発担当であるシライ石川さん

 

――今回アプリのリニューアルした経緯を教えていただけますか。

石川さん はい、実はリニューアル前のアプリはJoint Spaceという名前でリリースしていました。弊社はJoint Spaceという名前でインターネット販売を行なっており、その中でTINA:JOJUNを含めた9つブランドを扱っているんですね。そしてリニューアル前のアプリでは、この9つ全てのブランドを扱っていました。

でも、それだとブランドごとの世界観がぶつかり合ってしまい、アプリ上で世界観をうまく伝えることができなかったんです。それに、ブランドごとにファンの方がいらっしゃるのに、目当てのブランド以外の情報も入ってきてしまいます。

これらの課題を解決するために、まずはTINA:JOJUNというひとつのブランドのアプリとしてリニューアルしました。ブランドの世界観をアプリで表現し、ブランドのファンの方に必要な情報をお届けするためです。

小圷さん もうひとつは、リアル店舗でもオンラインでも、スムーズに買い物ができるようにしたかったというのもあります。

TINA:JOJUNはこれまで、リアル店舗は期間限定のポップアップストアが主でした。しかし以前のアプリは、店舗でアプリをダウンロードしていただいても、アプリに買い物カゴの機能がつけられなかったんですね。だから、せっかくダウンロードしていただいたアプリを立ち上げてもオンラインでは買い物ができず、ポイントを確認するだけのものになってしまっていたんです。

そこで今回、2021年8月にTINA:JOJUNの常設店が初めてオープンすることになったので、そのタイミングでリアル店舗でもオンラインでもスムーズに買い物していただくために、アプリをリニューアルしました。

店舗責任者のシライ 小圷さん

藤本さん 現在では、店舗数も増えたので(全国にPOPUPショップ含む3店舗 / 2021年10月現在)たまたま店舗の前を通りかかって立ち寄ってくださるお客様も多ですよね。

TINA:JOJUNはインフルエンサーの加藤愛里さんとの取り組みをはじめ、ブランドのファン作りも強化していきたいと考えていますので、ファンマーケティングを行っていくためにアプリをリニューアルしたというのもあります。

アプリ限定コンテンツやアプリならではの情報も発信

――今回のアプリで、特にこだわったことは何でしょうか。

石川さん 先ほどもお伝えしました通り、ブランドの世界観をアプリに反映させるところですね。TINA:JOJUNは弊社が扱うブランドの中でも世界観が構築できているので、ランチェスターさんにアドバイスをいただきながらビジュアルなどを作っていきました。

安藤 表現したい世界観をお伺いした上で、MGReの機能でできることをご提案しました。文字の大きさや、ブランドのロゴのサイズ、余白など、細かいところまでこだわって、ご納得いただけるアプリになるようご支援させていただきました。

藤本さん ピクセル単位で調整していきましたよね。それから、色にもこだわりました。たとえば、店舗の内装やブランドのサイトで使っている決められた色があるんですね。同じグレーでもブランドのサイトで使っているグレーは3種類あり、その中で視認性が高く世界観も表現できている色はどれなのか、といった細かいことも一つひとつ決めていきました。

TINA:JOJUNのブランド責任者であるシライ 藤本さん

 

――アプリならではの限定コンテンツもあるそうですね。

石川さん はい、アプリで配信するコンテンツは、ブランドのクリエイティブディレクターを務めるインフルエンサーの加藤愛里さんとも相談しながら作っていきました。

藤本さん そうですね。今、TINA:JOJUNのECサイトとInstagramのアカウント、それからTINA:JOJUN magazineというInstagramのアカウントがあるんです。そのほかに、各店舗のスタッフがスタイリングを発信していくアカウントもあります。複数のアカウントで情報を発信しているのですが、それと同じ内容をアプリにも載せるだけでは意味がないという話になり、Instagramと差別化したアプリならではの限定コンテンツを作っていくことにしました。

石川さん それがアプリのAIRI’S PICKです。ECサイトやインスタグラムのアカウントで発信する情報を住み分けした上で、さらにこのAIRI’S PICKではアプリオリジナルの情報を発信しています。

安藤 Instagramやブランドのサイトとは別でこういったコンテンツがあると、アプリの訴求になります。写真がきれいで画像の見せ方がとてもお上手ですし、SHOP NEWSのタブで表示される画像に「NOVELTY」「STORE ONLY」などのアイコンがついていてユーザーにとって見やすい工夫がされていますよね。そういったこだわりが、AppStoreの評価に繋がっているのだと思います。

左)限定コンテンツ「AIRI’S PICK」 / 右)アイコンを入れて見せ方を工夫

 

市原 リリースから2ヶ月でAppStoreのレビューコメントが123件も集まり、評価が4.7というのは本当に驚きです。レビューも好意的な内容ばかりですよね。TINA:JOJUNというブランドが愛されているからこそだと思いますし、ブランドのファンの方に店頭でアプリをインストールしていただく工夫をされているからだと思います。

TINA:JOJUNのターゲットとなる若い世代の方だと、Instagramを見ればいいからアプリはいらないと考える方も多いかなと思うのですが、アプリならではのコンテンツを配信してインストールする意味を作られたのは、本当にすごいなと感じていました。

インフルエンサーを活用したD2C事業のアプリ成功例を作っていきたい

――数あるサービスの中からMGReを選んだ理由とは何でしょうか。

石川さん まずひとつが、管理画面がわかりやすかったからです。弊社はOMO(※)の実現を目指しているんですね。その際に、本部スタッフだけでなく、実際に接客している店舗スタッフの協力が不可欠になります。普段デスクワークを主にしていない人でも扱いやすい管理画面なら、本部と店舗がしっかり連携でき、OMOの実現を目指せると思いました。そこが一番大きかったです。

それから、御社がこれまで手がけられたアプリを拝見して、MGReの機能ならTINA:JOJUNの世界観を表現できると感じたからです。

※OMO・・・オンライン(インターネット)とオフライン(リアル店舗)の境界線をなくして顧客体験の向上を目指すこと。

安藤 MGReは機能がシンプルな分、レイアウトの自由度では他社に劣る部分もあります。でも、御社にとって必要な機能が全部揃っていて、直感的に操作できるシンプルな管理画面だったのがよかったんですね。

カスタマーサクセスのランチェスター安藤

 

小圷さん そうですね。店舗での本格的な対応はこれからになりますが、うまく活用していけそうなアプリだと感じています。実際に僕もレクチャーしていただいて、コンテンツの更新や画像のアップなど、本当に簡単にできました。

石川さん もうひとつMGReを選んだ理由があります。弊社は企画、製造、販売までを一貫して行うD2C事業を行なっているのですが、D2C事業でアプリを必要としていて、ファンを広げていきたいという課題に強く興味を示してくださったのが、ランチェスターさんでした。

市原 御社は創業50年の老舗で、ニットの製造業からスタートされ、インフルエンサーを活用したDtoC事業を成功させてリアル店舗も持っていらっしゃいます。業界をリードされている御社と、アプリでの成功事例を一緒に作りたいと思ったんです。

営業担当のランチェスター市原

 

ダウンロード数は1ヶ月で旧アプリの5倍に

――アプリをリリースした成果は出ていますか。

石川さん リリースしてから1ヶ月で、リニューアル前のアプリのダウンロード数を抜きました。
ダウンロード数は旧アプリの5倍を超えています。

安藤 アクティブ率も高いと思います。アプリはダウンロードするだけで使わなくなる方が多いのですが、リリースした次の月のアクティブ率は約8割と順調に使っていただけていますよね。一般的に小売店のアプリを開くタイミングは、店頭でポイントカードを出したいときが多いんです。でもTINA:JOJUNはアプリリリース当初はリアル店舗が2店舗でアプリを開く動機が少なかったにも関わらず、ここまで継続的に使われているのは素晴らしいと思います。

藤本さん 名古屋と福岡に期間限定のポップアップストアを出店した際に、店頭で「アプリはお持ちですか」とお聞きすると既にダウンロードしているお客様が多かったんです。これまであまり出店したことのないエリアでも、アプリを使っていただけているんですよね。

それから、ユーザーの反応としては、アプリをダウンロードしたスマホの画面をインスタグラムのストーリーズにアップして拡散してくださっている方がたくさんいらっしゃいました。TINA:JOJUNのアイコンが自分のスマホの中にあるのが嬉しいと思ってくれているみたいです。

小圷さん 出店先のテナントのスタッフの方や、他のブランドのスタッフの方もダウンロードしてくださっていて、使いやすいという評価をいただいています。

――アプリ経由の売上はいかがでしょうか。

石川さん リニューアル前はアプリ経由で買い物をすることができなかったので、比較することはできないのですが、アプリのコンテンツなどをフックにして購入してくださる動きが見えてきています。ですので、今後はアプリ経由の売上も伸びていくと期待しています。

藤本さん 金曜日にブランドクリエイティブディレクターの加藤愛里さんと新作を紹介するインスタライブを行なっているのですが、その時にユーザー動向が上がるんですね。インスタライブを見てアプリで商品をチェックしたり、来店して購入を検討したりするお客様が増えているので、この動きはさらに追求していきたいと思います。

1対1の接客ができるアプリを目指す

――今後の展望について教えてください。

石川さん 会社としてOMOの実現を掲げているので、「接客のできるアプリ」にしていきたいです。たとえば、お客様がほしいと思ってくださっている商品が入荷したら個別にお知らせしたり、コンテンツを充実させたりして、その人が欲しい情報がダイレクトに届くアプリにしていきたいです。また、ブランドに関わってくれている若いスタッフがたくさんいますので、若い感性を生かしてターゲットやユーザーに親近感を持ってもらい、愛されるブランドのアプリにしていきたいですね。

安藤 セグメント別にプッシュ通知やニュースの配信を行うことはできるので、お客様の欲しい情報をダイレクトに届けるために、弊社としてもサポートしていければと思っています。

小圷さん 店舗の在庫状況をアプリと連携させてうまく発信できれば、お客様にとって役に立つアプリになりそうですよね。

藤本さん そうですね。あとは、お客様から求められているコンテンツを充実させていきたいです。それから、お客様からDMやストーリーズを通して「もっとこうしてほしい」「ここが使いにくい」といったお声をいただくので、それにお応えしながらよりよいアプリにしていきたいですね。

安藤 先ほどおっしゃっていた1対1の接客を実現するために、今後はアプリマーケティングの支援もサクセスチームが行なっていきます。ランチェスターの持っている知見を生かせればと思います。

市原 そうですね。具体的には、たくさん購入されている上位数%の方にだけ、非公開のYoutubeのURLをお送りして動画を視聴していただくなど、プレミアムな場としてもアプリは活用できると思います。また、今後リアル店舗が増えていくのでしたら、それぞれの店舗の人気スタッフがアプリ内でスタイリングの配信をするなどの施策もできたら面白いですね。

石川さん いいですね。弊社にはTINA:JOJUN以外にもブランドがありますので、今回アプリを活用した成功事例になれば、他のブランドにも反映させていきたいと考えています。各ブランドにファンの方がいらっしゃいますので、TINA:JOJUNの成功事例を反映させることはサービスの向上に繋がりますし、弊社としてOMOの実現にもなります。だから、TINA:JOJUNとしての歩みを止めることなく、チームで頑張っていきたいですね。