会員カード以上の可能性を求めて
旧アプリのリニューアルを決意

取材の様子

――アプリを導入しようと思われたきっかけを教えてください。

大澤さん 2019年3月までは、店舗では紙のスタンプカードを配布していました。これが来店顧客管理の唯一の方法で、完全にアナログでしたね。一方、ECサイトでは会員化ができていたため、実店舗もこれに寄せたいと考えていたタイミングで19年4月にPOSレジを刷新、この際、おまけ的に付いていたアプリを導入したのですが、機能面の制約がありました。店舗スタッフもお客さまに「ダウンロードしてくださいね」とおすすめしづらい面もあり、なかなか普及しなかったのです。

それでも実際アプリを導入してみると、利用者の動向や売上との因果関係などが把握でき、紙のポイントカード以上のメリットがあるのは明白でした。そこで、アプリのマーケティング機能をしっかり活用し、販売促進ツールとしてさらに充実させた内容のアプリに切り替えようと考えたのです。お客さまにとって、会員カードやポイントを貯める役割を超えた存在になる、ブランド発信型のアプリをつくりたいと思い、リニューアルの検討をはじめました。

「なんとなくよくしたい」という思いを迅速に具現化。
完成度の高いデモアプリが導入の決め手に

青山フラワーマーケットアプリのUI

――MGRe(メグリ)を選ばれた理由を教えてください。

大澤さん アプリの情報をいろいろ収集していく中で、(株)ランチェスター(現・メグリ)の代表取締役田代健太郎さんの講演を拝聴する機会があり、MGReに興味を持ちました。それでIT関連の展示会でランチェスターさんのブースに行き、アプリについて相談してみたのです。そのときは、ある程度汎用性があって、ECサイトとの連携がスムーズにいけばよく、具体的に内容をどうしたい、というこちらの方向性は漠然としていました。

すると営業担当の方から「青山フラワーマーケットさんのWebサイトには花の情報を伝える既存の読み物コンテンツが充実しているので、これを活かした設計にしましょう」とご提案いただいて。2回目の打ち合わせのときに、デモアプリを持ってきてくださったのです。この完成度がものすごく高くて、驚きました!現在MGReからリリースしているアプリと、色やアイコンのデザイン等以外、ほとんど変わらないですね。店舗情報も既存の機能で最寄りの店舗を検索できたり、ECサイトへの導線も完璧で「このまま使えるね!」という感じでした。

正直、アプリのリニューアルにはお金もかかりますし、社内には「本当に必要なの?」という声もありました。でも「百聞は一見にしかず」で、実際に形にして提案できたのは、社内認定を取得するうえで効果がありました。こうして、2021年10月にリニューアルアプリをリリースしました。

クローラー機能でファンの心を掴み、
買い物ツール以外の“持っていて楽しい”側面を充実させる

――アプリの機能でこだわった点を教えてください。

大澤さん クローラー機能(※)です。弊社のWebサイトやSNSでは、旬の花のことや産地だより、花の飾り方など、花に関する質の高い情報を発信していて、ファンも多い。クローラー機能によって「Webサイトを訪れなくても記事が見られる」となれば、お客さまとの接点が増えると考えました。こちらが手をかけなくても、これだけのコンテンツが自動でアプリにアップされる機能はすばらしいと思います。

また、MGRe導入を機に、会員ランク制度を作りました。お客さまの来店回数によって「エントリー」「マンスリー」「ウィークリー」「デイリー」と4つのランクに分かれ、アプリで会員カードを提示すると購入回数によってポイント還元率が上がる仕組みです。会員カードも、ランクが上がっていくと花の写真が変わっていくシステムで、どんどん豪華になるのです。これがスムーズに進んだのもMGReのおかげですね。

会員カードをお客さまごとに出し分ける機能はMGReの標準機能で、ランクに応じてニュース配信やプッシュ通知の内容を変えたり、写真の入れ替えなどの操作が管理画面からスムーズなので助かっています。

※クローラー(コンテンツ自動収集)機能:主要SNSであるInstagram、YouTube、Twitterに投稿しているコンテンツや、Webサイトに投稿したRSS対応のブログ記事を自動収集して、アプリのニュースとして配信する機能

必須課題だった旧アプリの引き継ぎ。
技術があれば、お客さまの不便さを改善できることを実感

――特に「MGReにしてよかった」と思われる点があれば教えてください。

大澤さん 根幹のシステム面でもっとも重要だったのは、旧アプリの引き継ぎをともなうECサイトとの連携でした。この技術を弊社のために開発してくださったことです。

実は、ECサイトにアカウントを持っておらず、旧アプリでも「ゲスト」の状態でログインされているお客さまが何万人といらっしゃったのです。通常の方法で旧アプリからMGReに引き継いだ場合、ゲスト会員は会員カードが出せなくなり、再登録の必要が出てしまいます。ゲスト会員の情報もそのまま継ぐことは至難の技らしく、以前、別会社に相談したこともあったのですが「できない」「できるが、このアプリとこのECシステムの外部連携はやったことがないのでほころびがでるかも」という消極的な返事でした。

ですが、メグリさんは外部連携の実績をたくさんお持ちで、旧アプリやECサイトのベンダーさんと積極的にやりとりをして情報を引き出してくださいました。「アプリ刷新によってお客さまが困惑するようなことだけはしたくない」と営業担当の方にお話ししたときにいただいた、「私たちの持っている技術で面倒なことが救えるなら、全力で解決しましょう」という言葉が、とても心強かったです。

また、弊社の店舗は電波の弱い駅中や地下にもあるため、ネット回線につながらないと会員カードが提示できない場合は不便です。MGReは店内に入るとオフラインでも自動的に会員カードが表示されます。この機能も標準機能として用意されています。MGReの良い点をあげるとキリがありませんね(笑)

顧客の来店頻度がアップ。
“自信を持っておすすめできるアプリ”の存在が、
お客さまとのコミュニケーションを深める

店舗での接客の様子

――アプリリニューアル後に、どんな成果が上がりましたか?

大澤さん 店舗で提示される会員証(アプリ、ポイントカード)のうち、アプリの割合が上がっており、直近3月の花の需要が高まるシーズンでは7割を超えました。これは「こんなにしっかりしたアプリなら、自信を持っておすすめできる」と、店舗スタッフがお客さまを積極的に誘導した結果です。

また、会員ランク制度を導入後は月を追う毎に上位ランクのお客さまの割合が増えています。これは購買頻度がアップしたということですから、今後売上にもつながっていくと思います。

さらに、旧アプリと比べてアプリの閲覧数は約2倍に増えました。アプリ内の読み物コンテンツだけをWebサイト内と比較すると、アプリのほうが3倍近く読まれているのです。会員カード以外の使い方が浸透してきていることがわかりました。

また、南青山本店をリニューアルした際、関東にお住まいのデイリー会員の方々を、アプリを介して内覧会にご招待しました。想定以上のお客さまがいらっしゃり“リアルからデジタルを介し、またリアルに”という形でお客さまとコミュニケーションが深まりました。ポイントカードに頼っていた時代とは違い、各店舗の顧客管理が会社主導で行えるようになったことは、大きな進歩ですね。

青山フラワーマーケット南青山本店の内観

青山フラワーマーケット ティーハウス南青山本店の内観
(写真上)2022年4月に移転リニューアルした青山フラワーマーケット南青山本店。“with Nature” がテーマの店内には、常時100種類の花や緑、枝が揃う。2Fにはフラワーベースギャラリーを新設。
(写真下)併設の青山フラワーマーケット ティーハウス。花農家の温室をイメージした店内では自然に咲く姿を再現して蹴られた旬の花々に囲まれ、花のある時間と空間が身近に感じられる。

日本の花文化を盛り立てる企業を目指すため、MGReは心強いパートナー

青山フラワーマーケット南青山本店の内観

――今後、MGReを通して実現したいことを教えてください。

大澤さん 単品管理が難しい花という商品の特性上、取得できる購買データに限界があったのですが、国内の実店舗120店とカフェ、フラワースクール、ECサイトのお客さまの利用状況をダッシュボード機能によって横断的に可視化できるようになったことで、データに基づいた改善行動がスムーズになりました。今後は、これらをもとに本格的にセールスプロモーションを仕掛けたいと思っています。

MGReは、カスタマーサクセスの対応がしっかりしているのも嬉しいですね。月に1回、アプリの使われ方を数値化、グラフ化していただいた資料をもとに、分析、検討をして「もう少しプッシュ通知を活用しましょう」など今後の施策を立てます。多くの事例をお持ちなので、他社の成功事例を聞くこともできて大変参考になります。

青山フラワーマーケットのコンセプトは“Living With Flowers Every Day”。ギフトよりは自家需要に重きをおき、1人でも多くの方の日常に気軽にお花を取り入れていただきたいと考え、商品やサービスをご提供しています。

花の情報は、女性誌などでも意外に少ないんですよ。日本には世界に誇れる花がたくさんあります。そういった情報も発信しつつ、日本の旬や季節を感じる文化を盛り上げるためのリーディングカンパニーとして、ますます発展していきたいですね。「花は青山で」というお客さまをさらに増やすためにも、MGReは欠かせないパートナーです。