昨今、アプリを活用したマーケティングにおいては「顧客体験(CX)」がより重要視されています。
情報感度の高い方であれば、「One to Oneマーケティング」や「OMO」といった言葉を耳にしたことがあるかもしれません。顧客体験を向上するために、これらのようなマーケティング施策を練る企業も増えています。
そこで重要視されるのが、ECプラットフォームやCRMといった外部システムとの連携です。
本記事では、システム連携が可能なアプリ開発プラットフォームを利用することがなぜ重要なのか、そのメリットや、それにより実現できる顧客体験向上について解説します。
<こんな方におすすめ>
- アプリ開発を検討中の方
- ベンダー選定に悩んでいる方
- 自社のファンを増やしたい方
Contents
アプリベンダー選定には外部システム連携が重要なのはなぜ?
そもそも、なぜ「外部システム連携」が必要なのでしょうか。
さまざまな理由はありますが、回答の一つとして「顧客体験の向上が求められているため」という点が挙げられます。
顧客体験(CX)の向上が重要な理由
顧客体験が重要視されている理由には大きく分けて2点あります。
- デジタル技術や流通が発展し、商品力のみで差別化を図るのが難しくなってきたため
- スマホが浸透したことで、顧客の情報収集力が格段に高まっているため
つまり、今の時代「良いものが売れる」のは当たり前で、その先の付加価値を提供できてはじめて、自社のファンを増やせる、という段階になっているのです。
その付加価値として重要なのが、顧客体験。
顧客があるショップを見つけてから、商品を購入し、商品を受け取り、その後のサポートを受けたりコンテンツに触れたり、そのショップとのコミュニケーション全てにおいてどのような体験ができるのか?という点です。
顧客に愛されるブランド価値を提供するために、まずは顧客の購買履歴や基本情報をきちんと知り、各チャネル(店舗、EC、アプリ、メルマガ等)で顧客がどのような行動をしているのかを把握することが今求められているのです。
顧客の行動を把握できれば、自社の強みがどんどん見えてきます。
例えば、SNSの画像経由からの商品購入が多かったり、いや自社では店舗スタッフのファンが多く根強いリピーターになっている、という場合もあるでしょう。企業や顧客によって、この強みの部分は大きく変わります。
このように自分たちの強みが分かることで、次に取るべきアクションが明確になってきます。流れとしては、下図の4つを繰り返していくイメージです。
【1】顧客体験を提供する
【2】ショップへの来訪が促進される
【3】新規顧客・リピート顧客が増える
【4】顧客をより深く理解できる
※【1】に戻り、よりよい顧客体験を提供する(繰り返し)
まず、顧客をより深く知ることで適切なアクションを取り、よい顧客体験を提供する。
↓
そうすることで、来店頻度が高まり、リピーターが増える。
↓
多くの顧客に来店してもらうことで、得られる情報量は多くなり、より客観的で精度の高い分析ができる。
↓
顧客をさらに深く知ることで、より質の高い顧客体験の提供ができるため、顧客満足度が上がり、売上もそれに比例してどんどん上がっていく
と、これらを繰り返すイメージです。
ここで上がる疑問としては、「顧客体験の向上が大事なのはわかった。でも、どうやって顧客をより深く理解すればいいの?」というところではないでしょうか。
その回答としてシステム連携が挙がってくるのです。
アプリにおけるシステム連携とは
スマホ時代の今、店舗やECを持つ企業において、アプリは顧客の利便性を上げたり、ショップにいる以外の時間でもコミュニケーションを取れたり、顧客の趣味嗜好を知るために大きな役目を担っています。
最近ではアプリ開発プラットフォームも増えており、自社でゼロから開発や保守運用をしなくてもクオリティの高いアプリをつくれるようになってきています。
ただ、ここで重視したいのが、そのプラットフォームが外部システムと柔軟に連携できるかどうか、という点です。
なぜかというと、顧客のことをより深く知るためには下記のような様々なチャネルでの顧客の情報を把握できる必要があるためです。
例えば、小売業なら下記のような顧客との接点があるでしょう。
- 店舗(POS)
- EC(Webサイト)
- アプリ
- メルマガ(MAツール)
- SNS
※上記チャネルの強みや弱みについては、以下のお役立ち資料にて解説しているので良ければ参考にしてみてください。
これらの情報を統合するために活用されるのが、CRM(Customer Relationship Management)です。このCRM無くしては、顧客の情報を適切に管理することは難しいといえるほどに重要なツールです。
アプリを作るときには前述のPOSやWebサイト、CRMなどとデータを共有しあうことにより、顧客がどこからアプリに移動したのか、アプリを見た後にはどんなアクションを取ったのかなど、顧客の軌跡を追うことができるようになります。
アプリと各システムの連携イメージ
アプリとWebサイトやCRM、MAなど外部システムを連携させるイメージは下図の通りです。
このようにシステム連携ができると、顧客への次のアクションも変わってきます。
例えば、アプリ内で顧客の属性や購買履歴に応じてクーポンを出し分けたいとします。その際の担当者のアクションとしては、CRMに蓄積されたECサイトや実店舗の会員データをもとに、相手に合わせてコンテンツを配信することになるでしょう。
このケースの場合、システム間で情報が分断されてしまっていると、CSVファイルを使って手作業でアプリ側にデータを流し込むなど、多くの手間がかかり、顧客へのコミュニケーションのスピードが鈍化に繋がってしまいます。マーケティング施策を迅速に実行するためにも、外部システムとのデータ連携が可能な、拡張性のあるアプリプラットフォームが必要なのです。
OMOやDXの実現にもシステム連携が必須
もし、あなたの企業がOMOやDX化に取り組んでいる場合、実店舗やECサイト、コールセンター、アプリなど複数のチャネルで同じ商品を販売し、オンラインとオフラインでシームレスな買い物体験を実現することが顧客満足度を高めるポイントになります。
そのためには、「ECと実店舗で共通ポイントを付与する」「ECサイトで店頭受取サービスを実施する」「実店舗の在庫数量をアプリ内で表示する」「商品バーコードをスマホで読み込むと商品情報が表示される」といったように、情報を上手く連携させることが欠かせません。
そして、こうした施策・サービスを行うためには、ECプラットフォーム、ポイントシステム、CRMなど、企業が使用しているさまざまなシステムを接続することが必要なのです。
拡張性がないアプリ開発プラットフォームのデメリット
変化の激しいこの時代、アプリをマーケティングに活用するためには、トレンドに合わせて機能や役割を変化させていくことが求められます。また、企業の事業フェーズに応じて、アプリと外部システムの連携が新たに必要になることもあるでしょう。
例えば、ECサイトと実店舗の会員証が別々だった企業が、共通の会員証をアプリでつくるとします。その場合、ポイントシステムやCRMのデータをアプリに連携する必要があります。
もしフルスクラッチ(ゼロからの開発)でアプリをつくるなら、外部システムと連携できるように要件定義を行えば問題はありません。ですが、アプリ開発プラットフォームを利用する場合には、プラットフォーム側に外部システムとの接続口(API)が用意されていないと、連携を行うことができません。
これを「拡張性がない」と言いますが、このようなアプリ開発プラットフォームで開発を進めると、事業環境の変化に合わせてアプリの機能や役割を進化させることができず、企業の成長を妨げる可能性があります。
市場のトレンドや事業フェーズに合わせて最適なマーケティング施策を実行しようとするとき、拡張性がないアプリプラットフォームを使っていると、アプリそのものがボトルネックになる可能性があるのです。
反対に、外部システムと柔軟に連携できるアプリ開発プラットフォームを使っていれば、アプリマーケティングの自由度が上がり、競争力の源泉になるでしょう。
未来は未知数だからこそ、
柔軟なプラットフォームを選ぼう
企業と顧客のタッチポイントが多様化した今、アプリやECサイト、実店舗などを行き来しながら買い物をすることが当たり前になりました。
SNSコマースやライブコマースなど、買い物の新しいチャネルも登場しています。今後は、ウェアラブルデバイスを使ってバーチャル空間で買い物をするなど、これまでは考えられなかった買い物の方法が普及するかもしれません。
このように買い物のあり方がますます多様化していく中で顧客満足度を維持し続けるためには、アプリと外部システムの連携は必要な要件といえるでしょう。
まとめ
デバイスの進化や、SNSの台頭などによって買い物のあり方が変化しても、拡張性のあるアプリなら時代のニーズに対応できます。
外部システムと連携しやすいアプリ開発プラットフォームを選ぶことは、企業と顧客の良好な関係性を築く鍵になるでしょう。
モバイルアプリ開発プラットフォームMGReでは、システム連携を得意としており、さまざまなECプラットフォームやCRMなどのマーケティングツールとの連携を実現しています。
以下のホワイトペーパーに、実際にMGReを導入してくださっている企業様の事例を掲載していますので、ベンダー選びの参考にしてみてください。