ECリニューアルの手順を5ステップで解説|成果UPに必要な“ECマッスル”とは

ECリニューアルの手順を5ステップで解説|成果UPに必要な“ECマッスル”とは

ECサイトを見直すきっかけは、企業によってさまざまです。

売上が好調な時に、より強化していくためにリニューアルを検討する場合もあれば、成果がなかなか上がらないサイトをアップデートするために見直しを進める企業もあるでしょう。

 

いずれの場合でも、ECリニューアルをスムーズに進め成功させたいことには変わりありません。そのためには、適切な手順でプロジェクトを進めることが必要になってきます。

 

そこで本記事では、「ECサイトのリニューアルを成功させるコツ」を、考え方の部分から具体的なタスク面に至るまで、ECサイト構築の専門家にお伺いしました。

今回お話をお伺いしたのは、こちらのお二人です。

人物紹介

安原貴之 氏のプロフィール画像

<話し手>
安原貴之 氏
株式会社フューチャーショップ 執行役員 セールス・マーケティング部 統括マネージャー

新卒入社した企業ではプログラマー・SEとして大手メーカーの受託開発を経験後、上海にて現地法人の立ち上げに携わる。その後、駐在先で開発責任者、副社長を経たのち、2011年株式会社フューチャーショップに入社。現職では、ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」を「日本の心、人の心を大切にできる純国産製品」として、プロダクトをより多くのショップに届けるべく、セールス・マーケティング部全体のマネジメントを担当。

八木智仁 氏のプロフィール画像
八木智仁 氏
株式会社フューチャーショップ カスタマーコンサルテーション部 ECコンサルタント


2009年入社。「futureshop」を導入している企業(ショップ)の売上向上のため、課題抽出から解決までをサポートするカスタマーサクセス業務に従事。具体的には、Google Analyticsなどを活用した分析や、売上向上施策の提案などを担当。パートナー企業をはじめとした外部セミナーでは、ECサイト活用をより多くの企業に伝えるため講師としての一面も持つ。

 

<聞き手>
田代健太郎
株式会社ランチェスター代表取締役

新卒でエンジニアとしてSIerに入社し、R&D部門に所属。2003年株式会社メンバーズ入社。同社ではトヨタなど複数大手企業のデジタルマーケティング支援を担当。その後、2007年株式会社ランチェスター創業。MUJI passportなど小売業を中心に企業のWebサイトやアプリの受託開発実績を重ね、2020年、SaaS型アプリマーケティングプラットフォーム「MGRe(メグリ)」のサービス提供を開始。

聞き手となる弊社代表の田代は、安原さんと同じく開発・技術者出身ということで、今回は技術的な観点のお話も聞けるのでしょうか。早速、本題に入っていきましょう。

<この記事がオススメな方>

よくあるリニューアルのきっかけって?

田代:はじめに、企業さんがECサイトを「リニューアルしよう!」と思い立つきっかけにはどのようなものがあるのでしょうか?

 

考えながら語る安原さんと八木さんの様子

 

八木さん:はい。多くの事業者は、ごく少人数でEC運営をしていたり、EC専業というよりECも兼務という形でやっているケースが多いです。なので、リニューアルのきっかけも明確な課題というよりは、ざっくりとした課題感があることが多いです。

 

「売上は上げたいけど、どう上げて良いかわからない」 というパターンと、「売上が下がってきたからリニューアルした方がいいんじゃないか」 という意見が社内から挙がったパターンがあるかなと思っています。

 

田代:なるほど。

 

八木さん:リニューアルとなると、なんとなく表層のデザインだけを変えていこうとするパターンも多いのですが、まずは課題抽出が必要です。ですが、実際にはなにが今のボトルネックになっていて、何をどうしたら、売上にどう影響があるだろう?という仮説のところがすっぽり抜け落ちてしまっているパターンは多いです。

1. デザインを一新するためのリニューアル

田代:御社の場合だと、デザイン先行でリニューアルを検討されるお客様が多いということですか?

 

質問をする弊社代表田代

 

八木さん:そうですね。「今のデザインが悪いから売上が上がらないのではないか」とか、「競合他社を見ているとお洒落なデザインになっているから、そうした方がいいのではないか」のような発想からリニューアルを検討するケースが比較的多いです。

 

逆に言うと「弊社のここが明確に悪いので、それを解決していただけませんか?」というケースはあまり伺いません。

 

たとえば、弊社のサービスで『コマースクリエイター』というデザインや導線設計を簡単に調整できるCMS機能があるのですが、「コマースクリエイターを導入したいです」というお客様に「なぜ利用されたいんですか?」と聞くと「futureshopさんが推しているからです。」と回答が来ることもあります。

 

「じゃあそもそも課題ってどのようなものなのでしょうか?」というお話になると、「え?課題…?」という温度感だったりします。

 

田代:なるほど。つまり、貴社のセールスマーケティング活動は成功しているものの、本来お客様に抽出していただく必要がある課題や目的の部分が欠けてしまっている、と。

 

八木さん:そうなんです。

2. コストカットのためのリニューアル

田代:ちなみに、ざっくりで構わないのですが、貴社のお客様のEC売上において、平均的な目標値はありますか?

 

安原さん:お客様によってさまざまなので難しいですが、アッパーとしてはOMOとかアプリまでやろうとされるお客様は比較的売上レベルも高いので、月商で何千万円〜何億円という規模感になります。

 

それに対して、成長途中のところでいうと、オンボーディングで始めたばかりのお客様は「まずは100万目指しましょう」という企業様ももちろんいらっしゃいます。100万円に到達したら「次は300万円目指しましょう」と段階を踏むのですが、弊社の場合は月商で300万円を超えてこないと、費用対効果が悪いということでEC運営自体を見直すケースが多いですね。

 

プラットフォーム費用や人件費、外注に委託するような費用を含めると、月商300万円を超えてからやっと少しずつペイできるかなといったところも正直あります。

 

八木さん:これからもっと良くなっていく、というところで諦めてしまうのは心苦しいです。

 

安原さん:費用を削減するために安価なプラットフォームに移行するケースも伺いますが、そうするとプラットフォームの機能も限られており、施策に制限が出てきたりします。結局打ち手が少なくなり、ジリ貧でECそのものを辞めてしまうという方は多いです。

3. 施策先行のリニューアル

田代:課題抽出をしたり、目的を明確にしていった後は、どのようにECサイトを作っていけば良いのでしょうか。

 

八木さん:ブランドとしての価値とか、提供したい思いを最初にしっかり整理していきます。その上で、お客様がどういう人たちなのかを考えて、その人たちに何をどう伝えるのかっていう施策や方法論のところを最初に全部洗い出すみたいな感じですね。

 

そこまで落とし込んだら、あとはWordPressなどのCMSを使うのか、アプリを使うのかECサイト単体で行くのか、コストは集客の方に割くのかどうかなど、大体手法が見えてくるという感じです。

 

田代:自社の立ち位置や伝えたいことをはっきりさせた上で、どのように売っていくか施策や方法論をイメージしていくのが重要なのですね。

 

八木さん:事前に考えておくことで、アプリ入れた方がいいとか、SEO頑張った方がいいとか、そういった方向性がぶれてしまうことを防げます。

 

反対に、施策先行で進めてしまうと、「あげたコストに対して意外と効果が見合わないよね、なぜだろう?」とムダ打ちになる可能性もあります。

POINT
  • 表層的な改善ではなく、自社の課題抽出を行った上でリニューアル目的を決める
  • どのような価値を提供するECサイトにするのか、事前に整理しておく

1. 事前準備

【1】目的を明確化する

田代:今おっしゃった施策や方法論は、事前準備の時点で検討しておいた方が良いのでしょうか。

 

八木さん:はい。目的をはっきりさせた上で最初の設計や方法を固め、それに合わせてデザインを当てていくイメージです。

 

デザインや施策先行で行ってしまうと成果につながりにくいですし、悪くなる場合もあります。表層だけリニューアルしても伝えたいことが薄くなってしまうこともあるので、目的のないリニューアルはやめたほうがいい、という話はよくしていますね。

 

まずは現状把握とこうあるべき姿、ウリのようなところをしっかりと落とし込み、そこからデザインを考えるという流れの方が、理にかなっているかなと最近は思います。

 

目的の明確化について語る安原さん

 

安原さん:弊社で最近よくあるのは、リニューアルではなく「これからスタートアップでEC始めます」というブランドで「集客はインスタグラム一本で勝負するので、その後シームレスにECサイトにアクセスできてシンプルに買いやすくなっていれば良い」といった作戦で行くケースです。

 

その場合、futureshopみたいにいろいろなことができるプラットフォームはいらないです、というお話を伺うこともあります。

 

ただ、比較的ブランドが成長してきて、売上がある程度一定を超えると、プラットフォームの料金システムによってはfutureshopより高くなる場合もあります。

1受注あたり〇〇円~という形で料金が発生してしまうので、売上が上がっても利益率の伸びが悪い場合があるんですよね。そうなると「その施策だけでは費用対効果が合わない、次の施策を考えよう」というリニューアルになります。

 

そこにプラスして「コンテンツマーケティングやっていこうか」とか「SEO頑張っていこうか」などといった話になっていくので、「そもそも EC サイトに来る前の顧客接点をどう設計していくか、タッチポイントをどこに持っていくか、そこからの動線を考慮した時にECサイトがどうあるべきか、みたいなことを考えましょうよ」という伝え方をしていますね。

 

ECサイトのデザインをどうリニューアルするかというよりは、その前のタッチポイントに応じてどう導線設計をするかみたいなことが必要になってくるのではないかと思います。

【2】ECに関わるカスタマージャーニーを考える

田代:ちなみに今「タッチポイント」という表現をされましたが、インスタのような SNS、SEOだとしたらコンテンツマーケティングで基本的にはGoogleやYahoo、それ以外に新規のお客様との接点を作っていく方法ってありますか?

 

八木さん:私がセミナー講師をしている、ECの立ち上げを今から考える人向けのセミナーがあるのですが、ここで最初にお伝えしているのは「自分たちの価値を整理しましょう」、「お客様を理解しましょう」、そして「カスタマージャーニーを設計しておきましょう」の3点です。

 

流れとしては、まずざっくりで構わないので、マーケティングで言うところの3C(市場:customer、競合:competitor、自社:companyの3つ)を整理して、自分たちのお客様が自分達に求める価値と、競合からより優れている部分を見つけます。

 

それらを掛け合わせることで、きちんとそのブランドが選ばれる、愛される理由になります。ここはしっかり整理していただきたいですね。

 

ECのカスタマージャーニー

 

その上で、先ほどタッチポイントのお話が出たのですが、 ECで商品を買ってもらう時っていろいろなタッチポイントが考えられるのかなと思っています。たとえば安原がお話しした、SNSで商品の認知を広げていくブランドの場合は、このイラストの中央「意思決定」の部分だけECに担ってもらうように設計すれば良いです。

 

そうではなくて、今から多くの人に認知を広げていく、Webを中心に接点を持っていくことを考えると、細かく、前半から後半まで網羅的に考えないといけないかなと思っています。結局アプリにしろ SNS にしろSEOにしろ、サイトに来てもらって、 いかにうまく買ってもらって、リピートしてもらうかは総合的に設計しておくべきかなと思います。

【3】現状のECサイトの課題を洗い出す

田代:今、パッと思いつく感じでいうと、たとえばリピーター促進では、メルマガだとかSNSだとかアプリなどをカスタマージャーニーに組み込むのかなと思ったのですが、課題抽出において、どういったことをするべきみたいなポイントってありますか?

 

八木さん:お客様によっては数字を正確に把握していない方もいらっしゃいます。なので、分析から入らせていただくケースが多いです。

 

よく話題に挙がる「F2(新規顧客の中で2回目の購入に繋がった割合)」をいかに上げられるかでいうと「うちって実はこんなにF2転換低かった/高かった」とか「F2は落ちていっているよね、上がっていっているよね」みたいな気づきをまず出していきます

 

そこで「F2は大丈夫だから、じゃあ F3、F4にいかに引き上げていくか」ということを考えるか「F2転換は改善の余地があるから、まずはそれをやりましょう」となるか、どちらかに分かれます。

 

そこから、初回購入から2回目購入に繋がらない仮説、シチュエーションや対策を考えて、あとは泥臭く施策に取り組んでもらうという感じですね。やることとしては、たとえば商品配送時にチラシを入れるとか、お礼メールを送るなどがあります。

【4】プラットフォームの見極め

田代:システム面で言うと、たとえば在庫管理系とか会計系など、他システムとの連携で何か気をつけておくべきことはありますか?

 

安原さん八木さん:う~ん。

 

田代:御社の場合は、もう標準で連携されているものをお使いいただくっていう感じですかね?

 

安原さん:そうですね。

 

八木さん:futureshopをご利用いただいているお客様はそうですね。たとえばCMSとかを独自でやっているとなると、自分たちで連携しないといけないですよね。そこの費用対効果をどう見るかによりますが、独自システムを利用し続けるとすごく大変だろうなと思います。

 

futureshopは「すぐ試せる、ダメならすぐ外せる」という特徴があったりするので、「1回どうですか、連携してみたらいいじゃないですか」みたいなトライアンドエラーができます。

 

田代:プラットフォーム選定の基準みたいなものとして、 すでにいろいろなシステムと連携が完了しているものを選ぶことが、非常に大きなポイントになるのですね。

【5】今あるECサイトの現状を把握しておく

田代:ここまで事前準備や戦略立てなどのお話を伺ってきましたが、要件が決まっていざ作る段階になった際にやるべきことは何でしょうか?

 

八木さん:サイトマップはきちんと作ってほしいですね。現状のサイト構成がどうなっているかというディレクトリマップみたいなものです。意外と把握していないケースが多くて。

 

具体的には、 カテゴリの枚数が何枚、商品ページが何枚、フリーページが何枚で、といった具合にエクセルなどにまとめておくと、制作会社さんとの話は早いです。こんな感じで、A3用紙に2枚くらいでまとめたりとか。

 

A3用紙を広げる八木さん

 

現状の構造がわかるものが無いまま見積もりをお願いしてしまうケースも多いのですが、これがないと制作会社さんって見積もりが出しづらいですね。 工数が読めないので、スケジュールが伸びてしまう要因になったりもします

 

なので、リニューアルを検討するときには、今あるECサイトのサイト構造を社内で整理しておくとスムーズかなと思います。

 

田代:なるほど。

2. 設計

【1】コミュニケーションの設計

田代:では、サイトマップも用意できて設計の段階に入った際には、まずどのようなことに気を付けたらいいでしょうか。

 

安原さん:すべての顧客に同じメッセージで同じコミュニケーションをするよりも、 それぞれに分けたコミュニケーションをした方がいいですよね、という話を最近はよくしています。

 

たとえば、SNSでフォローをしてくれているだけのお客様と、LINEに登録してくださっているお客様、アプリをダウンロードされているお客様は、ブランドに対するファン度のレベル感がそれぞれ違う可能性が高いです。

 

SNSフォローやLINEの友達追加をしてくれているだけのお客様であれば、もっと好きになってもらえるようなメッセージを出した方がいいです。しかし、アプリをダウンロードされているお客様に「うちのブランドの良さはここです」というメッセージをアプリ上で送ってもあまり意味がないでしょう。

 

顧客に合わせてメッセージを変える、このだし掛けは結構大変なのですが、地道にきちんと取り組んでいる企業は、やっぱりロイヤリティの高いお客様のリピート率が高いですし、引き上げるのもうまくいっています。

 

このように、結局はお客様とのコミュニケーションの設計になってくると思います。どういうタイミングで LINE 連携してもらうか、とかどういうタイミングでアプリダウンロードをするかとかはカスタマージャーニーに繋がると思っています。

 

あと、リピーターの方にはやはり拡散していただきたいので、いかにその体験を拡散してくれるかみたいな施策を作り、サイトの中でどう仕掛けるか、も重要な視点ですね。

 

田代:なるほど、勉強になります。EC サイトということで、「どうやって売るのか」みたいな発想に僕もなってしまっていましたが、お客様それぞれロイヤリティとかエンゲージメントが異なる中で、それぞれステージが異なるお客様とどのようにコミュニケーションをとっていくか設計することが大切なんですね。

 

その設計や施策があった上で、最終的にはリピーターになったり、F 2転換というところに繋がっていきますし。なのでやっぱり、 お客様との関係性の作り方やコミュニケーションの取り方をリニューアルの前に考えて、どういうサイトを作るべきかを設計していきましょう、ということですかね。

 

安原さん:そうですね。

【2】買いやすさとブランドの世界観を両立させた設計

安原さん:あと、最近特にアパレルブランドさんなどで気にしているところが結構あることなのですが、商品ページからカートまでの流れはすごくは良いのに、カートに入れた瞬間すごく事務的なページになったり「買ってください!」みたいな感じになると、結構ユーザーが急に冷めちゃうみたいなECサイトもあったりします。

 

なので、カートに入れる前と後でデザイン性が保たれていたり、メッセージに統一感があるかどうかというのは重要かなと思います。

 

ブランドの世界観と買いやすさを天秤にかけた図

 

たとえば、初回購入時に入力項目が多いと、やはり離脱しやすいです。でも買ってもらうためには、どうしても入力してもらわないといけないところがありますよね。

そこを離脱させずに、 必要な情報を入力してもらいながら購入完了させるにはどうするのか?を皆さんすごく色々考えていらっしゃいます。

 

結局商品を届けてもらおうと思ったら住所などを入力しないといけないので、たとえば会員登録してもらう際に、住所情報は一緒であとは会員登録ボタンを押すか押さないかだけの選択肢を与えて、「会員登録しましょう」という意味合いのメッセージを設置したりとか、工夫されている運営者もいらっしゃいます。

【3】ターゲットに合わせた設計

安原さん:細かい工夫の部分で行くと、客層の年齢層が高いところは文字を少し大きくしたりして工夫されているショップもあります。あまり文字を大きくしすぎると、スマホだと勝手に拡大しちゃったりとかあったりするので、そのサイズをギリギリのところで設定しておくなど、調整されているようです。

 

このようにユーザー体験を向上させられる要素ってたくさんあるのですが、比較的カート以降を自由に設定できるプラットフォームって少ないですよね。そこは各プラットフォームの特色が出てくるところかなと思っていて、futureshopはかなり設定できる方だと自負しています。

 

田代:なるほど。コンバージョンを上げていくとか売上を作っていく上では、ある程度自由度が高いプラットフォームが良さそうですね。

 

安原さん:そうですね。

3. 開発

【1】技術的なことをきちんと理解した上での開発

田代:設計ができたら、リニューアルや切り替えに進んでいくかと思いますが、開発面でのポイントを教えてください。

 

八木さん:技術的なところをしっかり押さえていただけると、スムーズに進みますね。

 

システムリプレイスにしろ、futureshopのお客様がCMSをコマースクリエイターに切り替えるにしろ、URL構造などの検討が出てきます。そこはしっかり旧URLからリダイレクトさせるなど、 Google対策を行うことで切り替え後も良い結果が出ると思います。

 

意外と Google 対策を忘れているとか、担当者もすべてを把握することが難しくなっています。ECリニューアルって、そうそう機会があることではないのと、ECサイトも色々な要素が絡んできますよね。数年に1回だと思いますし、サーバーも変わりますし、技術的なところはコンサル会社とか制作会社とか私たちに聞いていただくと、解決しやすいかと思います。

 

完全に自分たちでやろうとした時にその辺の観点がないと、リニューアルしたのに全然売れない、むしろ下がったみたいな相談に繋がることも多いですね。原因を探ってみると、実はGoogle対策をきちんとやっていなかったケースは結構あります。

【2】情緒的なクリエイティブと機能的なクリエイティブのバランスをとる

安原さん:あとは、デザインとリニューアルって一緒に語られることが多いのですが、情緒的な訴求をすることと、買いやすさを追求したテクニカル的な動線設計というのを両立させないといけない、というのはやっぱり難しいところですね。

 

商品ページやコンテンツでブランドの思いや強みなどの情緒的な訴求をすることも大切ですし、UX向上のための機能的なクリエイティブでサイト設計をすることも必要です。

 

これは先程の「買いやすさと世界観のバランスを取る」と同じく、バランスをとり開発することが重要です。

4. 移行

【1】顧客に合わせたリニューアル告知を前もって行う

田代:開発が完了して、いざリニューアルの段階になったらどのように進めていくと良いのでしょうか。

 

八木さん:顧客に対してはリプレイスするアナウンスと、スケジュール感をきちんと共有しておくことが最低限必要です。

 

アナウンス方法は、若い20~40代がメインターゲットの場合はサイトの通知とかメールの通知とか、それこそアプリのプッシュ配信とかでいいと思います。

 

50~60代とかがメインターゲットの場合には、リニューアルした時のお手紙送ったりしたり、電話でお知らせしたりとか。お客様が戸惑わないようなリニューアル告知をしっかりして欲しいなと思います。

 

パスワードとかは変わらざるを得ないので、そこはわかりやすいパスワードリマインダーのコンテンツを作るとか、この辺の顧客対応がスムーズに進めるためのコツですね。

 

施策でいうと、パスワードをリマインドして、リセットしてくれたらポイントやクーポンあげますよとか、ちょっとしたことですが、効果がある施策です。

 

田代:テクニカルなことはやるべきことをきちんとやりつつ、対顧客の対応としては、自社のお客様のことをきちんと想像してどういったご案内をするのか、自社内の取り組みをきちんとやるべきという感じですかね。

【2】社内(関係者)への告知

八木さん:そうですね。あとは社内や関係者への告知ですね。

 

田代:社内告知ですか。 意外とそういうのも漏れてたりするんですか?

 

八木さん:きちんと済ませているケースも多いとは思いますけどね。ついうっかり、というケースもあったりします。

 

「こういう目的でECサイトのプラットフォーム変えます」とか「デザインをリニューアルします」っていうのは、 営業担当者とか関係者にきちんと告知すると協力を仰げることも出てきます。

 

実店舗を運営されているなら、その方々にも伝えておいた方が戸惑いなど少なくいいかなと思います。 実店舗の方がECを紹介することもありますので。

5. 運用

■売上達成のための、“自分たちで”分析と改善の繰り返し

【1】売上達成のための、“自分たちで”分析と改善の繰り返し

田代:実際、運用面でいくと、価値訴求をしつつお買い物をしていただきながら最終的なそのコンバージョンを狙っていく必要がありますよね。

 

ブランドだったり、企業さんごとにコンバージョンが上がるポイントって違いがあったりするものなのでしょうか?

 

八木さん:ECのコンバージョンの目的は完全に売上なので、売上を作るためのいくつかの指標があるかなと思っています。最終ゴールは「注文完了ページを表示してほしい」なんですけど、導線ではその前にチェックアウトの画面がありますよね。一個前にカートの画面があって、詳細一覧トップみたいなページがある、と。

 

まずはこれらが意図した通りに流れているかと、ボトルネックがどこにあるかをGoogle Analyticsで見ます。注文完了した人の中で新規、ゲストなのか会員なのかと詳細を見ていき、会員の中でも初回購入なのかリピーターなのか、というのも見ていきます。

 

そうやって顧客の購買行動をいくつか分解していくと、売上を構成する要素は、それぞれのページのアクセス割合だとか新規/会員ゲストなどといったように掴めてきます。

 

あとは全体の集客がどこから来ているのかも全て落としこんで見ますね。単純に売上だけを見ることにならないようにしていくのですが、 売上を形作る指標の目標値を少しずつ上げていくと、リニューアルは成功するのではないかな、と思います。

 

最近思うのですが、ECの売上に関係するレバーって本当に多いですよね。その中で、売上が上がるレバーはどこか、見極めていくことが重要です。単純に集客を増やせば良いケースもありますし、集客を増やさなくても商品ページからカートページに入れてもらう割合を1.2倍にすれば売上が上がるかもしれません。

 

チェックアウトまでは行ってくれるけど、そこを乗り越えられないお客様が沢山いるということであれば、追客を検討するとか。そのためにリカバリーメールを入れた方がいいかもしれない、とか。

【2】目標設定はまずは段階的に、“ECマッスル”を鍛えながら成長する

八木さん:最後に、目標設定は段階的に行っていくことをおすすめします。たとえば、まだ月商が100万円に満たないショップがいきなり来月1000万売り上げるというケースは、ほとんど見かけないです。

 

それができるケースは、そもそも商品力がある場合や、企業としての価値提供がきちんとできている場合か、プロモーションなどにかけられる予算的な体力がある場合だと思っています。

 

大体の場合は段階的に売上が上がっていきます。 その時に必要な施策や打ち手、適したプラットフォームも月商の規模感によって変わってきますね。リニューアルにしろ、立ち上げにしろ、その点をきちんと見極めつつ進めていってほしいなと思いますね。

 

ECマッスルを鍛え目標設定が高まる様子を表した図

 

 

田代:なるほど。ありがとうございます。

まとめ

ECサイトのリニューアルは、【1】事前準備、【2】設計、【3】開発、【4】移行、【5】運用の順序で進んでいきます。

上記のポイントを押さえ、リニューアルを進めていきましょう。ECリニューアルに困ったら、ECサイト構築プラットフォーム提供者であるfutureshopさんにご相談くださいね。

 

ECサイトの売上アップをしたい方は、「買ってもらえるECサイトを作る4つの心得|意識するべきは“売上額”よりも“LTV”」の記事にて売上アップのコツをお二人にお伺いしています。ぜひあわせてお読みください。

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