ポイントシステムとは?導入方法と具体的な4つの活用方法を解説

ポイントシステムは、顧客との関係を深め、長期的なリピート購買を促進するための効果的な手段です。

しかし、ポイントシステムの導入方法や導入したあとの効果的な運用方法のイメージが湧いていない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ポイントシステムの導入方法や導入後の活用イメージの詳細を説明しているので、ポイントシステムの運用を成功させ、顧客との関係構築やリピート購買の促進を図りたい方はぜひご覧ください。

ポイントシステムとは

ポイントシステムというと、大きく以下の2つの意味に分かれると思います。2つの意味が混合したまま「ポイントシステム」という言葉が使われることが多々あるので、まず初めに2つの意味を明確に分けて説明します。

  • ①:お客様がポイントを貯めたり、そのポイントを使って様々な特典を得る『仕組み』のこと
  • ②:①の仕組みを導入したり、効率よく運営するために必要な『システム』のこと

本記事では**①を『ポイントシステム』、②を『ポイント管理システム』**として言葉を使い分けて説明します。

ポイントシステムでの、ポイントの貯め方や貯めたポイントの活用例については、以下のキャプチャもご参考ください。

ポイントシステム導入のメリット

ポイントシステムを導入することで様々なメリットが得られますが、主なメリットとして以下の3点が挙げられます。

  1. リピート購買の促進
  2. 顧客ロイヤルティの向上
  3. 顧客情報の活用・分析

 

1.リピート購買の促進

次回購入時に利用できるポイントが貯まることによって、再びその企業およびブランドで購買をする動機づくりができます。

「貯まった分のポイントを消化したい」という顧客心理が働くことで、割引サービスを行うよりもリテンション率が高まる可能性があります。

反対に、クーポンのように1回利用すると無くなる使い切りの還元方法だと、「購買のきっかけづくり」づくりはできても、「購買を続ける理由づけ」はできません。クーポン施策はポイントと比べると顧客の定着率が低くなりやすいリスクがあるため、慎重に行う必要があります。

クーポンのような使い切りの還元方法とは異なり、ポイントシステムでは「購買のきっかけづくり」だけでなく「顧客の定着」も図ることができます。

2.顧客ロイヤルティの向上

ポイントシステムは、顧客に「お得感」や「特別感」を提供することで、顧客ロイヤルティ(ブランドへの愛着や信頼)を向上する効果もあります。

ポイントを貯めるたびに得られる達成感や、ポイント会員限定の特典を受けられる仕組みにより、顧客は「自分は特別な顧客である」と感じることができます。

顧客ロイヤルティの向上は、顧客との長期的な関係構築や、価格競争以外の付加価値の提供につながります。

3.顧客情報の活用・分析

ポイントシステムによって蓄積された顧客データを活用することで、マーケティング活動に役立てることができます。 ポイント会員に登録してもらうことで、顧客の「名前・年齢・性別・住所・電話番号」といった個人情報の他に「購入商品・購入頻度・購入時期」といった購入履歴に関する情報も得ることができます。

以前はアンケート調査を通じてデータを集める方法が主流でしたが、個人情報の記入に対して不安を感じるユーザーも少なくありませんでした。

一方で、ポイントシステムを導入すれば、ユーザーは何かしらの特典を受けることができるため、抵抗感なく情報を登録してくれます。

これにより、企業や店舗は収集したデータを分析し、顧客の特徴やニーズに基づいた効果的なマーケティングを展開できます。

ポイント付与の方法

顧客にポイントを付与する方法は様々ですが、ここでは代表的なものをいくつか紹介します。

  • アプリやWebページを用いたポイント付与
  • 紙のカードを用いたポイント付与
  • 店舗で専用端末を使用

アプリやWebページを用いたポイント付与

スマートフォンにインストールしたアプリやウェブ会員ページを用意し、アプリやWebページを通じてポイント付与する方法が該当します。

  • 購入時にレジでバーコードやQRコードを提示してポイントを付与
  • アプリやWebページにログインしたタイミングでポイント付与
  • アプリやWebページでアンケート回答依頼し、回答してもらったタイミングでポイント付与

のような形で、オフライン・オンライン問わずポイントの付与が可能です。

従来の紙のポイントカードが不要となるため、顧客にとってもカードを持ち歩く必要がなくなるメリットがあります。また、顧客はリアルタイムでポイント取得状況を確認できることもメリットとなります。

一方で、スマートフォンを持たない顧客やスマートフォンの利用に慣れていない方には導入が難しいというデメリットもあります。

企業・店舗側のメリットとしては、デジタルで顧客データを蓄積しやすく、パーソナライズされたマーケティング活動に活用しやすい点が挙げられます。一方で、アプリ開発やシステム構築にコストがかかる点がデメリットとして挙げられます。

紙のカードを用いたポイント付与

紙のポイントカードを用意し、購入時にレジでカードを提示してポイントを付与する方法が該当します。

  • 購入時にレジで紙のカードに印字された番号を入力してポイントを付与
  • 購入時にレジでバーコードやQRコードを提示してポイントを付与

のような形で、実店舗での商品購入時にレジで紙のカードを提示してもらう方法です。

この方法では、従来通りカードを提示するだけでポイントを貯めることができ、スマートフォンがなくてもポイントが貯められるため、幅広い顧客層に対応可能です。

一方で、紙のカードには紛失や破損のリスクがあり、カードを持ち歩く手間がかかります。また、リアルタイムでポイント状況を確認することができないため、購入時以外には自分のポイントを把握することが難しくなります。レシートにポイント残高を印字するといった方法もありますが、レシートを貰わない人やレシートをなくしてしまった人は確認できなくなります。

企業・店舗側のメリットとしては、カード発行時の必要項目を絞ることで、店舗でもスムーズかつ顧客の登録ハードルを下げた状態で登録を進めることができます。

一方で、「名前と電話番号のみ」のように必要項目を最小限に絞ると、顧客の特徴やニーズといった詳細情報に基づいた効果的なマーケティングが展開できなくなります。

「顧客属性や購買履歴のデータを活用し、メール配信等のオンライン施策に展開したい」「店舗で付与したポイントをECでも使えるようにしたい」というようなニーズがあれば、紙のカードだけではなく、アプリやWebページを用いたポイント付与の方法を検討するのが良いでしょう。

店舗で専用端末を使用

店舗に設置された専用端末を使用し、顧客が電話番号や氏名を伝えるだけでポイントが付与される方法が該当します。

この方法では、顧客はカードを持ち歩いたりアプリをインストールする必要がなく、電話番号や氏名だけで簡単にポイントを貯めることができるため、利便性が高くなります。

企業・店舗側のメリットとしては、シンプルでスムーズなポイント付与が可能で、システム導入のコストも比較的低く抑えられる点が挙げられます。

一方で、『紙のカードを用いたポイント付与』と同様に、「名前と電話番号のみ」のように登録時の必要項目を最小限に絞ると、顧客の特徴やニーズといった詳細情報に基づいた効果的なマーケティングが展開できなくなるといったデメリットもあります。

ポイント管理システムの導入方法

ここまでは、顧客や企業に様々なメリットがある仕組みとしての「ポイントシステム」を説明しました。

ここでは、ポイントシステムを効率的・効果的に運営するためのツールである「ポイント管理システム」の具体的な導入方法について説明します。

フルスクラッチで開発

「フルスクラッチ」とは、既存のパッケージシステムやプラットフォームを使わず、完全オーダーメードでシステムを開発する方法です。

機能やデザインの自由度が高く、基幹システムや管理倉庫システム(WMS)など、企業が使用しているさまざまな外部システムとの連携も柔軟に対応できるので、理想のシステムを実現しやすい点がメリットとして挙げられます。

一方で、開発費用が高額なことや、セキュリティ対策・システムのメンテナンス・サーバ管理などを自社で対応しなければならない点がデメリットとして挙げられます。

SaaS型システムの導入

SaaS型(クラウド)のポイント管理システムを導入することでポイントシステムを導入・運営することもできます。

SaaS型のシステムに搭載されている標準機能やデザインテンプレートを使ってポイント管理システムを構築するため、低予算・短期間で導入できることがメリットです。

また、クラウドで提供されるポイント管理システムは、システム提供会社がシステムのバージョンアップやメンテナンス、セキュリティ対策を行うため、利用企業はそれらの対応や管理を行う必要がありません。バージョンアップも随時行われるため、常に最新の機能を利用することができます。

一方で、SaaS型のポイント管理システムは、機能やデザイン等がある程度決まっており、カスタマイズに制限があることがデメリットとして挙げられます。

ポイントシステムの4つの活用イメージ

ここまでは、ポイントシステム導入メリットや、ポイントシステムを効率よく運営するために必要なポイント管理システムの導入方法について説明しました。

ポイントシステムやポイント管理システムを導入しても、顧客に利用してもらえなかったり、企業内でデータを有効活用できていないと、「リピート購買の促進」や「顧客ロイヤルティの向上」といった目的を達成することは難しくなります。

ここでは、ポイントシステムを導入した際に、どのように顧客への浸透や企業内での活用につなげていくのかを、当社のアプリ開発プラットフォーム「MGRe(メグリ)」を例に挙げて説明します。

1. 店内モード

位置情報を活用することで、店内でアプリを起動する際に画面を自動で切り替えたり、店舗付近に来ていたユーザーの人数がわかるようになる機能です。

店内にいる際には、最もよく使われる**会員証などの画面が真っ先に表示されるように切り替えることで、ユーザーの負担も軽減し、顧客体験を高めます。**また、店舗の近くや店内に訪れたユーザーの情報を収集することで、オンライン施策であるアプリがオフラインの顧客行動を把握できるようになります。

2. 仮会員システム

「仮会員システム」は、わずらわしい個人情報の登録をせずとも、会員証を発行できる仕組みです。

一般的に、アプリで利用できる会員区分には「ゲスト」と「本会員」の2つの種類があります。

「ゲスト」は、まだ会員登録を済ませていない顧客のことを指します。「本会員」は、会員登録が完了している顧客のことです。本会員になってはじめて、ポイントを貯められるようになったり、会員向けクーポンを利用できるようになったりします。

MGReでは、その2つに加えて**「仮会員」という会員区分**を設けています。「仮会員」は、会員情報の登録はしておらず、会員証発行のみ出来ている(ポイントは使えないが貯めることはできる)状態を指します。

仮会員システムにより、顧客は会員登録せずともアプリをダウンロードするだけですぐにポイントを貯め始めることができ、購入が済んだ後の都合の良い好きなタイミングで本会員への登録を進めることができます。

2. 仮会員システム

「仮会員システム」は、わずらわしい個人情報の登録をせずとも、会員証を発行できる仕組みです。

一般的に、アプリで利用できる会員区分には「ゲスト」と「本会員」の2つの種類があります。

「ゲスト」は、まだ会員登録を済ませていない顧客のことを指します。「本会員」は、会員登録が完了している顧客のことです。本会員になってはじめて、ポイントを貯められるようになったり、会員向けクーポンを利用できるようになったりします。

MGReでは、その2つに加えて**「仮会員」という会員区分**を設けています。「仮会員」は、会員情報の登録はしておらず、会員証発行のみ出来ている(ポイントは使えないが貯めることはできる)状態を指します。

仮会員システムにより、顧客は会員登録せずともアプリをダウンロードするだけですぐにポイントを貯め始めることができ、購入が済んだ後の都合の良い好きなタイミングで本会員への登録を進めることができます。

会員ランクの導入は、以下のようなメリットがあります。

顧客の購買モチベーションアップ

現状のポイント取得状況をリアルタイムで確認できることや、「次のランクまであと〇〇ポイント」といったようにあとどのくらいでランクアップに到達できるかを顧客に伝えることで、顧客に「またお買い物したくなる」と感じてもらいやすくなります。

そうすることで、顧客のランクアップに対するモチベーションを高めたり、買い物することを楽しんでもらう動機付けになります。

【ロイヤルカスタマーの割合を可視化できる】

ロイヤルカスタマー育成をミッションとする場合、ポイント会員のうち、上位ランクの顧客がどのくらいいるのかは気になるところではないでしょうか。

MGReでは、管理画面の中で会員ランク別のユーザーの割合を確認できるため、アプリユーザーの傾向を把握したり、ECと比較したりなどマーケティングに活かせます。

4. 顧客データに合わせた情報提供

MGReでは、ユーザーの特徴や購買・行動履歴などの切り口から、共通点のあるユーザーをグループ分け(セグメント分け)し、各グループごとにカスタマイズした情報を配信することができます。

カスタマイズした情報の配信例としては「店舗がリニューアルするタイミングに合わせて、会員ランクが高い顧客のみを選択して先行イベントの案内をする」「直近一か月以内に登録した新規ユーザーに向けて、リピート購入を促すために限定クーポンを配信する」のようなものが挙げられます。

MGReの管理画面では、配信設定の際に4つのセグメントタイプを選択できます。

①全ユーザー

②ユーザー属性

③ユーザーID

④会員種別

①全ユーザー

MGReをダウンロードしているすべてのユーザーに向けて発信できます。

②ユーザー属性

MGReアプリ内に登録されているプロフィール情報をもとにセグメント設定ができるようになります。

たとえば、以下のような切り口から配信先のユーザーを選択できます。

  • 会員ランク
  • 誕生月
  • 性別
  • 居住地(都道府県)
  • お気に入り(フォロー)店舗

③ユーザーID

CSVファイルを手動でアップロードする形で、配信先のユーザーIDを指定できる機能です。

ユーザー指定の方法としては、外部のCRMシステムやMAから抽出したユーザーリストや、購買データを元に作成したリストなどが考えられます。

④会員種別

前述の『会員ランク』で説明した、会員種別に合わせたセグメント設定ができます。

たとえば、レギュラー、ブロンズ、シルバー、ゴールドといったように会員ランクが分かれている場合、

  • ブロンズランク以下に対してリピート購入を促す発信
  • シルバーランク以上に対して顧客ロイヤルティ向上を促す発信

上記のように発信を切り分けられます。

まとめ

ポイントシステムは、顧客との関係を深め、長期的なリピート購買を促進するための効果的な手段です。

一方、これらを効率的かつ効果的に運営するためには、ポイント管理システムの導入が欠かせません。フルスクラッチ型やSaaS型など、自社の予算や目的に合った導入方法を選ぶことが重要です。

また、ただ導入するだけでなく、店内モードや会員ランク、顧客データに基づく情報提供などを活用することで、さらなる顧客体験の向上や購買意欲の醸成が期待できます。

本記事で解説した「ポイントシステム」と「ポイント管理システム」の違いや導入方法、活用イメージを参考に、ポイントシステムの運用を成功させ、リピート購買の促進や顧客ロイヤルティの向上につなげましょう。